こんにちは。
まんだらけの画太郎先生担当の中野店わきです。
今回は画太郎先生のコミカライズ作品をご紹介します。
秋田書店「ブスの瞳に恋してる」全3巻
毎月第2、第4火曜日に発売される秋田書店の青年向け漫画雑誌「ヤングチャンピオン」。本作は2006年~2007年の間に連載されていました。画太郎先生は秋田書店では2001年~2003年に少年誌の「週刊少年チャンピオン」で「樹海少年ZOO1」の連載がありましたがそれ以来のヤンチャンへの移行です。
ヤンチャンと言えば個人的にはヤングアニマルと区別が付かない表紙グラドルの水着の奇抜さ・・・なイメージで当時の私は多少抵抗がありつつも歯をくいしばりながらこのヤンチャンをブス恋のために毎号買っていたのですが同時期に太田出版から短編集の「まんカス」も発売。そこで人生初、レジで黒い袋にその本を入れられるという事態に遭遇・・・そうです、レジの方は「まんカス」の表紙で私をエロ本買った人認定したのです。ち、違う、違うんだ!これはギャグ漫画であってエロじゃない!普通の袋に入れてくれ~・・・というような事がありました。
何が言いたいのかと言いますと、2000年以降に解禁された画太郎先生の18禁モードがこの連載によりいよいよ本格化されたという事です。掲載誌はあの豪気な秋田書店でかつヤンチャン、さらに新婚ラブラブカップルのお話・・・これでターボかからないはずが無いんです。まずはそれを踏まえて頂きたいです。
参考画像 太田出版「まんカス」全1巻
「ブスの瞳に恋してる」は女芸人「森三中」の大島美幸ちゃんと交際0日で結婚した放送作家鈴木おさむさんによるノンフィクション著書の漫画化作品、所謂コミカライズとなっています。しかしコミカライズと言っても借りているのは名前と設定だけでもはや画太郎先生オリジナルと言って良い全くの別物になっています。1巻の巻末に実物の主人公お2人の対談記事があり小さいですが写真も載っているのでとりあえずは漫画版のお2人と見比べてみてください。
ある日おさむさんはとある飲み会で美幸ちゃんと出会い「公園を散歩してるデカイ犬ちっくな可愛さがあった」という理由で一目ぼれし「それじゃ結婚すっかー!!!」「いいっすよ!!!」と出会ってすぐに婚約します。ほぼ悟空とチチばりのフットワークの軽さですが男女の出会いに於いての究極の理想、それは女が男に一目ぼれされるという事、これに尽きると思います。そんな理想は夢のようですが、本当にあったんですね。ロマンチックな話です。そりゃあ画太郎先生のお名前も漫ハート画太郎にならざるを得ません。
その後ひと山ふた山さん山くらい越えたあたりでのLove.6「ランドリーでランジェリー」この話は原作にもあるエピソードなのですが、美幸ちゃんの乙女描写が秀逸。
夜の夜中にふろしき包みを抱えた美幸ちゃんが1人でコッソリ外出します。心配したおさむさんが付いて行くとそこにはわざわざランジェリーのみをコインランドリーで洗う美幸ちゃんの姿が・・・
「どーしてパンティーだけコインラインドリーで洗ってるの?」「はずかしかったっす」「はずかしい!?」「オデのランジェリーボロボロだから・・・おさむさんにみられたくなかったっす」「だったら新しいランジェリー買えばいいじゃないか」「もったいねっす・・・オデみてーなブスがランジェリーに金かけたらバチがあたるっす・・・」
「何バカな事言ってんだよ美幸ちゃん そんなボロいランジェリー着てたらますますブスになっちゃうぞ!!! よし明日休みだから一緒にランジェリー買いに行こう!!!」「い・・・いいんすか?」「オフコース」「ありがとう おさむさん」
どうですかこのエピソード!!! こんなに可愛い生き物がこの世に居ていいのだろうか???(私は実際中野の路地裏で何かの撮影で来ていた実物の美幸ちゃんを見た事ありますがお肌ツヤツヤで可愛らしくて感激したんですよ)女性は幼少期から己の顔面と向き合うという過酷を突きつけられます。要するにブスである自分を認める事のできる人とできない人に別れるんです。もちろん幸せなのは認める事のできない人。しかし認める事のできる人の辛さ、これはもう茨の道です。私もその道を裸足で歩んで足の裏はもうボロボロ、心は傷だらけ・・・幼少期には近所に住む同い年の美少女由紀子ちゃん(実名)あだなをゆっこちゃんと言いましたが4歳年下の妹が毎日言うんです。「ゆっこちゃんがお姉ちゃんだったら良かったーゆっこちゃんがお姉ちゃんだったら良かったー」自分には懐かず見た目も派手な妹が私は憎かった・・・美人にはこんな思い出無い筈です。
それで美幸ちゃんの場合ですがキレイなランジェリー=美人アイテムゆえ「もったいねっす…オデみてーなブスがランジェリーに金かけたらバチがあたるっす…」という自省をしてしまうわけです。もう涙無しには読めません。そしてそんな美幸ちゃんを明るく励ますおさむさん・・・とんでもない奇跡がコインランドリーで起こってますよ皆さま!!! 心が洗われるかのようです。
ただこちらの「Love6.」には続きがあるのですがラブな前半とは一転、極めてデンジャラーとなり急転直下の落差で凄すぎる展開に・・・(続きは単行本で!!!
目次一覧
第1巻
Love1.ひとめぼれ
Love2.涙のファーストキス
Love3.涙のファーストSEX
Love4.初めてのオナラ
Love5.野グソ。をプロデュース
Love6.ランドリーでランジェリー
Love7.結婚報告(前編)
Love8.結婚報告(後編)
第2巻
Love9.初めての手料理
Love10.1リットルのしょんべん
Love11.ちくびんびん物語
Love12.指輪物語
Love13.チン事件
Love14.なんこうの怪談
Love15.結婚記念日
Love16.究極のダイエット
Love17.3年目のウワキ
第3巻
Love18.ラストジヌシ
Love19.くその糸
Love20.かつおのタタリ
Love21.さびしん病~おれがあいつであいつがおれで~
Love22.芸人スランプみゆきちゃん#1
Love23.芸人スランプみゆきちゃん#2
Love24.芸人スランプみゆきちゃん#3
LastLove芸人スランプみゆきちゃん#4
※雑誌掲載時にはあった「Love19.女優ブスゾンビ」の回はなぜか単行本未収録です。パンチ効いてて良かったのに何故・・まんだらけではこちらの収録雑誌を強化買取中!!!画太郎先生の単行本未収録作品一覧表(買取情報)です→http://www.mandarake.co.jp/information/buy/book/comic-mishuroku.htmlお持ちの方是非!!!
冒頭に書かせて頂きましたが特筆すべき事項としてやはり避けて通れません。そう、18禁描写バリッバリでございます。(成年マークは付いていませんが)やはり秋田書店の自由な風と、何描いても怒らないだろう2人という安心感がそうさせたのでしょうか、この小さくまとまってない感は一読の価値があります。大体単行本が出た当時実写ドラマ化(おさむさん役は稲垣吾郎さん)と時期が被り、しかもあのメルヘンな表紙、これはいくら表紙に「画太郎」と作者名が記されてあってもうっかり買ってしまう人いるだろう、どんどん刷れ!売り時じゃあーーー!!!と私は気をはいていたわけですがビックリするほど書店に置いているのを見かけずで私、秋田書店さんだぁ~い好きですけどここだけが不満な点でした。何でもっと刷ってくれないんだろうと・・・ドラマに遠慮してヒヨったのかとか穿った見方をしたりなど。
Love22.芸人スランプみゆきちゃん#1
「美幸ちゃんと結婚して早くも三年の月日が流れた 結婚してからいろんな人に「奥さん可愛くなったねー」と何度も言われたが たしかに僕の目から見てもこの三年間で美幸はみちがえるほど可愛くなった!!!」
液体に注目です。やはり液体を超えられるか否かというのが好きなのかそうでないのかの別をはかる真実であると・・・そう画太郎先生は物語っておられます。汝、鼻水、涎、以下略を愛するか???と・・・
おさむさんとのラブラブ生活で芸人としての美幸ちゃんに異変が・・・恥じらいが出てきてしまい人前で脱げなくなったりとそのために「結婚してからつまらなくなった」などと言われ出します。さらにおさむさんとのSEXをも拒否し出し悩んだおさむさんは新宿にある行きつけのマッサージ屋のババアおタカさんにそれを相談します。結局おさむさんのテクニックに問題があるのではという結論に達したおタカさんだったが実際にやってみないとわからないということでおさむさんはおタカさんとSEX後、正しいSEXを学ぶため修行に入ってしまいます。
凄いことになったよ!!!
自由すぎるよ秋田書店!!!
この後一体どうなっちゃうの???
私は画太郎先生の事を、日本一斜め上を行く展開を考えるお方、そう思っていますが、この作品のラスト、これについては全画太郎作品の中でも屈指の超展開で絶句必至の結末になっています。突っ込みどころは満載ですが、それを補って余りある斜め上感は突き抜けており清涼であると言ってもいいくらいの潔さ。これを未読の方には是非味わって頂きたいです。
「ブス恋」は原作あっての作品ではありますが画太郎先生はその原作の魅力を120%引き出し(まるでナメック星でクリリンや悟飯の能力を引き出した長老のよう)さらに未開の画太郎ワールドへ昇華させた意欲作となりました。先生の作品を少年漫画時代から読んできた自分としては1番の衝撃が18禁、エロ描写の進化だったのですが、それは同時に確固とした「ラブストーリー」であるこの物語の核に対して先生が真っ向から向き合い戦った結果であると、そして我々が読後異形の怪物の態をしているヒロインの美幸ちゃんに対して抱く感情はまさしくおさむさんが美幸ちゃんに対して抱いている愛情と同一のものとなっている事に気付かされるのです。あの異形のヒロインを、一人称が「オデ」のヒロインに対しての感情を共有できるまでの描写。この作品で画太郎先生の表現力は別ステージに上がったと、そこまで言い切って良いものだと私は思っています。
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(中野店/わき)
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中野店 わき