あのさァ!!「聲の形」のさァ!!公式ファンブックに載ってたってきいたんだけどさァ!!
植野と!!
佐原が!!
くっ付くっていうはなしでさァ!!
植野(かわいい性格悪い系女子)と!!
佐原(高身長かっこいい系女子)が!!
一緒に住んでるって話でさァ!!
なんだよそれ・・・最強じゃん・・・え?待って?いっしょにすんでる・・・?
いっしょにすんでるって何それ・・・?え?それ同棲じゃね?
何それっていうかむしろナニしてんだって話でオイどういうことだ佐原ァァ!!(錯乱)
はあ・・・はあ・・・しまった・・・すっかり取り乱してしまいました・・・ごめん(「イコライザー」のデンゼル・ワシントン風に)。
はい。
さて、いきなり見苦しい文章で気分を害された方に向けてみんな大好き植野さんのまるで天使のような画像を貼っておきましょうね。
あ、画像間違えた。まあいいや。
とまあそんな感じでとても頭悪い感じに始まったスタッフ斧ブログ2回目ですね。僕はといえば最近は「綾野剛がまじであっくす(僕のあだ名)だからすぐ観に行け」と大学時代の友人に言われてちょうど観たい映画だったし行くかーとフラっと観に行った「怒り」がとっても気に入ってしまいました。あの誰かを結局信じられなかった人とそれでも最後は信じた人と信じてた人に最悪の形で裏切られた人の対比がね。もうね、「ここでエンドロール来ちゃったらどうしよう・・・」って思いながら終盤は戦々恐々としてましたよ。問題の綾野剛はのっけから妻夫木くんと濃厚な絡みを見せてたので(え?俺っぽいってそういうこと?)と思わずにはいられなかったですが、まあでも不思議と観てるうちに綾野剛の仕草とか喋り方とか完全に自分とダブって見えるっていうかもうあっくすじゃん。綾野剛はあっくすだった・・・?いやもはや僕が綾野剛なんじゃね?(うるさい)
あと余談ですが男同士のそういうアレなら「キル・ユア・ダーリン」のダニエル・ラドグリフとデイン・デハーンのキスシーンが素敵だという話を私はしたい。ひょっとして僕はBLもイケるかもしれない・・・?
そんな感じで今回ご紹介するのは「怒り」の話も綾野剛もダニエルもデインも全然関係ない「聲の形」の作者大今良時繋がりでこちらァアアア!!!(深夜のテンション)
マルドゥック・スクランブル(講談社・全7巻)
原作:冲方丁 作画:大今良時
「天地明察」などの歴史小説や「シュピーゲルシリーズ」などのライトノベル、「ファフナー」などアニメ脚本でもおなじみ冲方丁先生のSF小説を、「聲の形」の大今良時先生がコミカライズしたものにして彼女の連載デビュー作です。
舞台は戦争で技術的にも経済的にも発展を遂げたサイバーパンク風NYと言った感じの港湾都市・マルドゥックシティ。そこで身寄りのなく少女娼婦として生きていた主人公ルーン・バロットは、自分を拾って世話をしてくれたカジノディーラー・シェルに突然自動車事故に見せかけて焼き殺されかけます。
皮膚のほとんどを焼いて失った瀕死の彼女を救ったのは、一人の男と一匹の金色のネズミ。元軍属の科学者と軍で開発された「どんな道具や武器にでも変身できる生体兵器」のコンビ、ドクター・イースターとウフコックでした。
彼らは人命保護の場合に限り法的に禁止された科学技術を行使できる緊急法令・09(オー・ナイン)法案に従事する委任事件担当官でした。シェルのバックについているとある企業の犯罪行為を立証するため、以前から彼をマークしていたのです。
「なんで私なの?」
失った皮膚の代わりに、特殊な人工皮膚を移植され、あらゆる電子機器に干渉できる能力を得たバロット。自分が殺されかけた理由を知り、シェルの犯罪の証拠を集めて事件を立証するため、イースターとウフコックに協力することを決意します。
一方でシェル側は、『当事者の死亡または失踪により事件が不成立』となることを狙い、次々と刺客を送り込んでくる・・・。
はい、僕が作家・冲方丁を知りSF好きになるきっかけになった作品です。高校生のときに表紙買いしてドハマりして原作そろえて連載も追っかけた思い出。
それから伊藤計劃と円城塔も大好きになって昨年の映画「ハーモニー」のあまりの出来に血の涙を流したんですがまあその話は今はいい。
主人公バロットは物語開始時点では何もかも諦めていて絶望していて、「死んだ方がいい」と自分に言い聞かせてしまうほど。というのも彼女の人生ではそれまで本当にいろんなものを奪われていて、希望とか幸せとかそういうものは望むだけ無駄だと思い知らされてきたからなんですが・・・。
その内容がまあ悲惨で、末端神経症で働けなくなった父親に処女を奪われてそれから近親相姦が日常になるわ、そのことを知って激怒した兄が父親を拳銃で撃って刑務所送りになるわ・・・。
それから保護された施設では性的虐待が横行していて逃げ出した果てに売春宿に拾われるんですよ。そこで行為の最中にまったく反応をしないからついたあだ名が雛料理(バロット/孵ってないヒナをそのまま煮殺して食べる料理)。え?これ少年誌に掲載してたの?やっぱり俺たちの別冊マガジンはひと味違ェや。
結局居着いた売春宿も警察の手が入ったことで潰れて、とうとう行くアテが無くなったバロットのもとに現れたのがシェルでした。
カジノのディーラーという立場を利用してマネー・ロンダリングに手を染めている彼は、その過程で6人の少女を殺しています。しかもそのたびに自分の記憶をデータ化して脳内から消去してるので、バロットの件に関しても同様に記憶がない。
もっぱら事件の証拠としてその記憶データを手に入れようとする、というのが物語のキモになります。この人もすごい悪人に見えるけど大分悲惨な経験してるんですよね・・・。終盤で明らかになるトラウマ描写がまあ哀しいこと。あと大分直接的でショッキング。え?これ少年誌に載せていいの?やっぱり俺たちの別冊マガジンはひと味違ェや。
そんなシェルがバロットの元に送り込む刺客。イースターとウフコックの元同僚であり、ウフコックの元パートナー。あるとき突然暴走し事件関係者を皆殺しにしてまわり、2人と決別したディムズデイル・ボイルドです。彼は疑似重力(フロート)によって壁や天井を歩き回り、バカでかいリボルバーをぶっ放す大男。
ボイルドはバロット殺害のため、都市のアンダーグラウンドを根城にする殺し屋集団、バンダースナッチカンパニーを雇います。
イカれたメンバーを紹介するぜ!
ミディアム・ザ・フィンガーネイル!変態!
レア・ザ・ヘア!変態!
ミンチ・ザ・ウィンク!変態!
フレッシュ・ザ・パイク!変態!
ウェルダン・ザ・プッシーハンド!変態!以上だ!
はい、人体移植が趣味の畜産業者の皆さんでした。いい変態っぷりです。最高です。でも真の変態は原作の改訂版を出すにあたって全3巻分の原稿を全文書き直したり、執筆中に自分が書くキャラにリンクしすぎて半年間失踪したりした原作者・冲方丁自身であることを僕らは知っています。ありがとう先生、あなたが変人でよかった・・・。
楽しそうで何より。
でもさァ・・・この人たちも元軍人で戦場でいろいろあったんですよ。それこそ主人公のバロット並に大事なものを奪われて、それをなんとか埋め合わせようと足掻いてる人たちなんですよ。この漫画版だと原作にはないメンバー一人一人のトラウマがフラッシュバックするシーンがあって、それがより明確になってるというか。主人公がたどるかもしれなかった可能性の一つというか。トラウマを抱えたまま誰も救ってくれる人がいなくて、そのまま怪物になってしまった人たちで、それをバロットがウフコックとともに撃退して行くのにはなんともいえない物悲しさを感じます。
さて、こういう刺客たちと戦うにあたってバロットが次第に特別な感情を寄せて行くことになるのがウフコックです。彼はどんな道具にも変身できる万能道具存在(ユニバーサルアイテム)なんですが、体臭から相手の感情を読み取る力も持っていて。それゆえ武器としてのフォローだけでなく精神面でもバロットをサポートします。
物語序盤、自分が生き残って幸せになれるなんて信じられないバロットはウフコックが変身した拳銃で自殺しようとします。でもその拳銃に引き金が無い。
もう彼の優しさと人間性(?)が全部詰まった場面です。そりゃバロットも惚れますよ。ネズミと少女のラブストーリーですよ。どうですかこの萌えポイント。昨今の人外ブームを先取りしてた感じがしないですか。
あと上記の「銃に引き金がない」というシーンがクライマックスでもう1度繰り返されるんですけど!もうね!そのときの状況とそれが持つ意味がね!!もうヤバいんですよ!!泣きましたよぼくは!!
そして物語が進行し、シェルの犯罪の証拠となる記憶データがカジノの100万ドルチップに隠されていることを知った一行は、事件に勝つためにシェルがオーナーを務めるカジノに赴きます。ルーレットやポーカー、ブラックジャックなど、大金が動くゲームに勝利し、データが納められた100万ドルチップを4枚手に入れるため。
そして一部(主に冲方ファン)ではもはや伝説となっているカジノシーンが幕をあけます。
5巻から始まるカジノ編において、当初「死んだ方が良い」と口にし、自殺までしようとしていた少女バロットは、やがて自分が生き残るために選択し、自分の人生に一糸報いようと尽力します。全ては殺されかけた理由をしるために。自分を助け出してくれた人たちに応えるために。これまでの人生にふりかかった悪運だの運命だのを乗り越えるために。
そして物語は一気に終幕へと向かってゆきます。
これは、卵の中で煮殺されていた少女が、自分で殻を破って羽ばたくまでの物語です。
私情ですがかなり好きな一作です。オススメです。
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(担当 斧)
中野店 斧