どうも。斧でございます。
はい、えー、前回ブログで「ハーモニー」の感想書くよーって言ってましたけどね、なんか全然書き終わらんので急遽別のこと書くことにしますね。すいませんね、はい。
まあそれでジョジョ6部のプッチ神父の好きな台詞ベスト5とかやろうかなあたかも考えたんですけどね、ちょっと僕がプッチ神父好きすぎて、DIOのためDIOのため言ってる癖に自分のことしか考えてなくてしかもそれに全然気付いてない独善っぷりが最高すぎて大好きすぎてこれも長くなりそうなので別の機会に。
そういえば先日西川美和監督の映画「永い言い訳」のブルーレイが届きまして。本木雅弘演じる主人公・幸夫と深津絵里演じる夏子の冷めきった夫婦のギスギスした会話から始まる作品で、その幸夫が不倫しているまさにその瞬間に夏子がバス事故で亡くなってしまうという。それで関係もとっくに冷めきってたわ不倫の罪悪感はあるわで全く悲しめない、という話でして。そうこうしてるうちに、ひょんなことから同じバス事故でやはり妻を亡くした小学生のときの同級生の子供の面倒をみることになりまして、その過程でようやく20年連れ添った妻を亡くした実感と罪悪感とまっすぐ向き合えるようになる、という映画で。幸夫が子供たちと過ごす時間とか、亡くなった妻に対して初めて感情を爆発させるシーンとか、テーマ曲の「オンブラ・マイ・フ」が流れるところとか、この映画の全てが優しくてたまらなくてなんか初見時はわけわかんなくなりましたね、はい。
この映画に限った話じゃないですけど、思わぬきっかけで大事な人ってどんどん増えてくよなあって思ったりもしたり。そんでやっぱり思わぬきっかけでけんかとかしてその人とはそれっきり、なんてこともあるよなあなんて思ったり。
そんでいつも前振りが無駄に長いなあって書いてる途中に思ったり。もっとこうスマートにまとめられたらいいんですけどね。さーんって感じで。もうササーン!て。そーん、さァーん!こんな意味判んねえこと書いてるから文章長えんだよって話ですね。そろそろ漫画の話しましょうか・・・前振りと無理矢理つなげて今回は友達とけんか別れしてしまった女の子のお話ですよ。
「花と嘘とマコト」(あさの著 秋田書店)
今回はなんとなく僕が勝手にこの作品のテーマ曲にしてるアジカンの「アネモネの咲く春に」を貼っておきますね。
おはなしを簡単にまとめてみると、主人公のハナはどうやら家庭環境に問題があるらしく、
友達のマコトに唯一心を開いていたんですが、
そのマコトが突然、自分を突き放すように冷たくなってしまいまして。
なんでだろう、どうしてだろうなんてハナが思い悩んでいるうちに、結局マコトに何も聞けないまま彼女は交通事故で死んでしまったんですが、その死んだはずのマコトがなんと動き出しまして。
ハナはマコトに何があったか聞きたい、やり直したいという一心で、その死んでいるはずのマコトと共同生活をするんですが、やがてテレビのニュースでは米国で「中枢神経代行症候群」ステージⅤの患者が200名を超えたという報道がされて・・・・・・。
代行症になると、生前に感染したウイルスが死後に活性化して人体の機能を肩代わりするらしく、一応は動いたり食事をしたり、喋ったりもできるみたいなんですが、結局それは刺激に反応して記憶どおりの動きをしているだけで。抱きしめても体温なんてもちろん無いし、ほぼ常に口枷をつけてないといけないし、そんなマコトに対してハナは以前と同じように接しようとするけれども、本当は目の前の友達がただの動く死体でしかないことは重々承知していて、だからどこまでいっても2人の生活は嘘でしかないわけだけれども。
そうこうしているうちにマコトの症状が進んでいって、肉体の機能も低下して、身体もゆっくりと腐っていって、代行症末期の患者が人を襲ったというニュースが流れて、否応なくいいかげんに現実を認識しないといけなくなるハナ。それでもその嘘を突き通さないと大事な何かを繋ぎとめていられない、嘘の日常を手放さずにいられないハナの危うさとか痛々しさとかそういうものが読んでいてつらいです。
そんなハナを諭して現実につなぎ止めておく役割なのが、代行症研究のために2人の共同生活に密かに協力する診療所の山下医師と、
ハナの父親です。
医者として、または親として、大人の立場から現実の厳しさを淡々と、でも決して子供のハナを突き放さずに話すこの2人とハナとのやりとりがたまらなく好きです。
2人の手助けもあり、マコトとの生活を続けるハナですが、マコトもとうとう末期となり、周囲にも隠し通せなくなり、限界が来てしまいます。
それでもただ本当のことが知りたいと、マコトと逃避行を続けるハナ。生前のマコトの希望を叶えるためにふたりで海を目指します。海を目指す作品はだいたい名作ですよね。「ノッキン・オン・ヘブンズドア」とか。天国ではみんな海の話をするんだぜ・・・。この終盤のロードムービー展開のなかで2人がヒッチハイクした車を運転していた坊主頭の青年が、代行症末期のマコトをみて出頭をすすめつつも、2人に協力したりして、とても良いキャラクターです。さらっと過去に何かがあったことを匂わせるだけの描写もグッドです。
そうしてたどり着いた先で。ハナは親友の優しさと真実を知って、初夏から始まった2人の嘘の日常と旅が終わります。
主人公のハナが、他の人たちから助けられつつ親友の死から立ち直っていく様子がとても丁寧に描かれていて、ただ内省的では終わらないところにとても好感がもてます。要するにぼくこれちょう好き!映画化とかしねえかな・・・。
ひとって一人で生きていけねえよなあと思いました。ほんとにね。最近は特にね。こういう優しい作品に飢えているのでむしろ何かあったら教えてほしい。とりあえずわたしはこれから「永い言い訳」の原作を読みます。
それではまた。
(中野店/斧)
「花と嘘とマコト」はこちらから。
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中野店 斧
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