廃棄の本の中から、創刊間もないころのスーパージャンプを見つけました。86年12月発行なので20年ちょっと前のです。そこには読みきりでなんか妙な作品「ギャンブラー」が。絵はこんなんですが、これがなかなかに笑ってしまう描写が。
冒頭、ボクシング世界チャンピオンの日本人に、黒人ボクサーが挑む。その記者会見の場で、黒人ボクサーのマネージャーであるケン沢木は日本の国旗をビリビリーッと破いて挑発。日系人とはいえケンはハワイ生まれ。パールハーバーで母親を無くし、日本を憎んでいた。過去、市民権を得るためにベトナム戦争に参加したときには
こんな毒舌ぷり。
ケンはセコンドから黒人ボクサーに的確な指示を与えて連戦連勝。ついには念願だったタイトルマッチに。この階級のトップは日本人、そうケンは日本人チャンピオンを敵地日本で滅多打ちにすることに執念を燃やしていたのです。黒人ボクサーもスラム生まれで、抑圧に与えてきた男。意気投合した二人の暗い情熱はチャンピオン戦に向けて燃え上がる・・・。
そして当日、リングに上がる前の国歌斉唱で、やおらケンに異変が!

・・・なんか揺れてない? ケン!
それを見た黒人ボクサーの一言もイカす!

ごもっとも、それはもっともなクエスチョンです! しかし「なぜ揺れる?」って言い回しはダイレクトすぎて愉快ですね!
そう、日本憎しで「君が代」なんか聞いたこともなかったケンが、心のそこからわきあがる「何か」によってグーラグラと揺れてしまったんです!
揺れはどんどんひどくなっていく一方。ケンは黒人ボクサーが「日本憎いなんてウソじゃないか!」と不信感を抱くに違いない、このコンビはオシマイだ・・・と嘆く。だがボクサーは・・・みたいなかんじで、まーラストはけっこう上手くまとめてはいるんですが、君が代聞きながらフラフラ揺れる絵ヅラと「ケンなぜ揺れる?」のやりとりだけは最高です。日の丸をビリビリーッて引き裂くようなルードっぷりを見せつけた男も君が代を聞くや揺れだす、って。では国歌斉唱のときに起立しない人は日教組で、で立ってんだけどなぜか揺れ出す人がいたらそれがケン沢木ということですね。
余談ですがスーパージャンプ初期はジャンプ本誌の人気作家の出張がよくありました。が、あの鳥山明氏も。
「レディーレッド」もそうだけど、鳥山先生艶笑オチ多いですね。女性が露天浴してるところを少年に見られる、ってパターンも初期短編にはホントよく登場するし、けっこうなヤリ手じゃないかと思うんですよ。まちがいなくアッサリしてないと思う。

冒頭、ボクシング世界チャンピオンの日本人に、黒人ボクサーが挑む。その記者会見の場で、黒人ボクサーのマネージャーであるケン沢木は日本の国旗をビリビリーッと破いて挑発。日系人とはいえケンはハワイ生まれ。パールハーバーで母親を無くし、日本を憎んでいた。過去、市民権を得るためにベトナム戦争に参加したときには

こんな毒舌ぷり。
ケンはセコンドから黒人ボクサーに的確な指示を与えて連戦連勝。ついには念願だったタイトルマッチに。この階級のトップは日本人、そうケンは日本人チャンピオンを敵地日本で滅多打ちにすることに執念を燃やしていたのです。黒人ボクサーもスラム生まれで、抑圧に与えてきた男。意気投合した二人の暗い情熱はチャンピオン戦に向けて燃え上がる・・・。
そして当日、リングに上がる前の国歌斉唱で、やおらケンに異変が!

・・・なんか揺れてない? ケン!
それを見た黒人ボクサーの一言もイカす!

ごもっとも、それはもっともなクエスチョンです! しかし「なぜ揺れる?」って言い回しはダイレクトすぎて愉快ですね!
そう、日本憎しで「君が代」なんか聞いたこともなかったケンが、心のそこからわきあがる「何か」によってグーラグラと揺れてしまったんです!

揺れはどんどんひどくなっていく一方。ケンは黒人ボクサーが「日本憎いなんてウソじゃないか!」と不信感を抱くに違いない、このコンビはオシマイだ・・・と嘆く。だがボクサーは・・・みたいなかんじで、まーラストはけっこう上手くまとめてはいるんですが、君が代聞きながらフラフラ揺れる絵ヅラと「ケンなぜ揺れる?」のやりとりだけは最高です。日の丸をビリビリーッて引き裂くようなルードっぷりを見せつけた男も君が代を聞くや揺れだす、って。では国歌斉唱のときに起立しない人は日教組で、で立ってんだけどなぜか揺れ出す人がいたらそれがケン沢木ということですね。
余談ですがスーパージャンプ初期はジャンプ本誌の人気作家の出張がよくありました。が、あの鳥山明氏も。

「レディーレッド」もそうだけど、鳥山先生艶笑オチ多いですね。女性が露天浴してるところを少年に見られる、ってパターンも初期短編にはホントよく登場するし、けっこうなヤリ手じゃないかと思うんですよ。まちがいなくアッサリしてないと思う。
中野店 岩井