なんばグランドカオスに、いま来てます

なんの音沙汰もないまま更新が止まり2週間たち、すっかり忘れ去られてしまいましたが、実はその間、9月はじめから中野店からここ、大阪のミナミにあるグランドカオスにお邪魔しています。

僕の中の大阪のイメージと言うとやっぱり「熱笑!花沢高校」なので、トゲだらけの戦闘バイクに乗った高校生達が町を闊歩したり、町の人たちは「ゲリラ万歳!!」なんて叫んでるんだろうと想像してましたが、そんなことはやはりなくガッカリしました。

さてここグランドカオスでは21日にイベントカオ・スペシャルが行われます。おまはんも何かだしんしゃい(歪んだ関西弁観)とのことなので、ほんのすこしですがこんなのを出します。

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「10年たって彼らはまた何故ここにいるのか・・・」

福満先生2006年に兵庫の幻堂出版から限定500部で発行された、福満しげゆきの初期作品集です。この本に関してはネットで高騰しているのに気がついた福満氏と、福満氏の奥さんが中野の買取にお持ちにこられたところ予想してたほどじゃなくガッカリ・・・というエピソードが「僕の小規模な生活」に掲載され、僕も上司に怒られたりした記憶があります。
まぁそんなのはどうでもいいとして、福満氏と言えば先日の吉田豪氏との対談は素晴らしかった!! 同時期にネガティブ系マンガ家として知られたカラスヤサトシが売れるにしたがってフツーになってしまいしかもそれを開き直り、そのため輪郭があいまいになってしまったのとは対照的に、これだけ売れていても一本筋の通ったネガティブさには震えさせられました。本としては500部のわりに入荷が狭く、中野でも年に1度出せたかどうかというレベルです。

「シュジェ」

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ネット前夜、また「ZINE」なんてこジャレた単語もなかった当時、市場大介や西岡兄妹の作品を出していた火星書房の本も、やっぱり「自費出版本」「自主制作本」という硬い単語で括られていました。しかしいまでも、このシュジェもそうだし一連の火星書房の本は「自費出版本」と言った方が相応しいように感じます。

ガロを読みアングラなものサブカルなものに興味を持っていても、都心のカルチャーからは遠く離れていた新潟に住んでいた当時。都内に行くたび、まだオープンして間もないタコシェと、こちらは逆に歴史のありすぎる、新宿にある模索舎にいってはこういった自主制作本を買い集めました。初めて「37歳落とし子小百合編」読んだとき、またガロで西岡兄妹が毎号載り始めたときの衝撃はいまでも忘れられません。この当時の火星書房の本にはポストカードやイベントのお知らせなどフライヤーが毎回ふんだんに入っており、それもついてます。

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「YOTSUBA&! ILLUSTRATIONS and MATERIALS」

2007年に「よつばと」6巻単行本、「よつばとしろとくろのどうぶつ」、それとイメージCDについているクーポン3点と、300円分の小為替が必要だった全プレの小画集です。当時総額で5000円くらい必要だったため、よつばとの知名度に比して応募した人はさほどでもなかったのでは。というか、やっぱりCD「よつばと♪冬将軍」を買わないといけないのがキツかった。あれ買わなくていいんだったら、たぶんもっと応募者多かったよ。

内容は小画集ですが、ここでしかお目にかかれない絵があるので実ページ数に比しても、所持する喜びのある1冊。あと「よつばと!」6巻発売時時点の、各話のタイムテーブル(たとえば第20話花火大会は8/17日、とか)のカレンダーが興味深いですね。よつばとで思い出しましたが、よつばスタジオの仕事&里見英樹氏のインタビューが掲載されてる「アイデア」334号は必携の出来でしたね。

さてそれではグランドカオスという店名に恥じないカオスなものといえばこれですか。

「攘夷幕末世界」

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表紙だけ見ると歴史物?サムライもの?と思ってしまうのですが、中身はこれです。

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そしてラストはこれ。

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幕末に日本にやってきた外国人は実はグゲエグゲッ!と叫ぶバケモノだった! そしてキリスト教の聖母みたいなのが現れてみろく神を名乗り、チンポみたいな太極砲も登場し、富士の裾野にあるむすとろんという名前のロケットを作り、最後もチンプンカンプンというあまりに壮大、あまりにカオスなその内容から怪作の名をほしいままにする「攘夷幕末世界」。まさに混沌。アタマおかしいとしか思えません。すべて21日、1Fのショーケースに出しますね。

混沌といえば、なにげに2Fビンテージコーナーに思春期のカルテこれが出ててびっくり。こっちは21日に限らず購入可ですよ!ヌレありです。

中野店 岩井

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