つい最近、「ハムサラダくん」が再復刻されました。
再復刻、というのは、数年前にいっかいマガジン・ファイブから上下巻で一度復刻されたんですな。しかしマガジンファイブが活動を停止してしまったため絶版になったので、装いあらたに松文館からもういちど発行された、と。
松文館という名前は、マンガ喫茶においてある本がマンガのすべてだと思っているような方にはあまりなじみがないかもしれません。ひょっとしたらマンガ喫茶には1冊たりとも松文館の本は並んでないかもしれないのです。
というのは、近年の松文館はBL本やティーンズラブ本メインで活動しているためです。旧社名のサン出版、オハヨー出版時代は三流劇画誌に載っているようなマイナーな劇画を、そして松文館時代はそれに加えて、ロリコンマンガブームに乗り、レモンピープルの亜流誌「ハーフリータ」を作り、遊人以降の美少女マンガブームでもコンスタントに作品を発行。BLが流行るとなるとダイヤモンドコミックスというレーベルを立ち上げBLに勢力をつくり、同人でテニプリがきてるとなればアンソロジーをすぐに発行。
機を見るに敏ではないが鈍ではない。一番乗りではないものの確実に流行に取り入り、フットワークの軽い会社でもあります。
たとえば競輪なんかそうですが、1着を狙うもまくられてドベになったり、接触覚悟でガシガシいって失格食らうより、着実に3位4位5位にいっつも食い込んでるほうが生き残れるみたいなカンジ。有害図書問題で活動を一時休止し、ビューティ・ヘア「蜜室」にからむわいせつ裁判でも責められましたし、最近は毎月のように都の有害図書指定にあげられても、しぶとく生き残ってます。
ですが、猥雑だろうとラインナップに一貫性がなかろうと、生き残らないと意味がないのです。これだけ官に睨まれつつも活動し続けているのはすごいのかもしれません。
話を戻して、そんな松文館の「ハムサラダくん」、なんかどっかで見たなという思ったんですが、小学館から刊行中の藤子・F・大全集に装丁がそっくりなんです!
![musara1.jpg](http://blog-imgs-38.fc2.com/i/w/a/iwainohondana/musara1.jpg)
これが裏表紙
![musara3.jpg](http://blog-imgs-38.fc2.com/i/w/a/iwainohondana/musara3.jpg)
・右上にロゴマーク(ロゴマークもなにも松文館レーベルデコのマークを他に使ってる本はなかったと思います!)
・グレー地背景に絵が浮き彫り
・帯の大きさがミリ単位でおんなじ、レイアウトもそっくり
・裏表紙の「収録作品」も体裁がおなじ(収録作品も何も、これで全話です!)
・背表紙の社名を四角に囲うところまでマネ(ほかの松文館の本は社名を四角で囲ってなかったような気がします)
そしてこの「僕も藤子F大全集の仲間ですヨ」というソックリ装丁の努力の甲斐あって、現実に書店ではチャッカリ隣に置かれていたりします。あざといなといわれるかもしれません。しかしまず「出す」ことよりも「売る」ことを考えるなら正しい選択とも言えるのが難しいところですね。
そんな「ハムサラダ」といえば珍シーンの連続、こんなのホントに藤子不二雄物語なのかよ!とツッコミをいちいちいれるのも手間なマシマシ具合ですが、僕としてはF先生=肉好きでハム、A先生=肉嫌いでサラダ、の両名がイイ声で笑うところが印象深いですな。
![musara6.jpg](http://blog-imgs-38.fc2.com/i/w/a/iwainohondana/musara6.jpg)
筆がノリに乗って「きゃはははー」とのだめみたいな声で笑うA先生。まんが道のあの弱気な満賀氏とは異なる強気な目つきもイメージではないなあ。
やっぱり筆がノリに乗って「がははは」と笑い、「悩みが吹っ飛んだら、えらく快調だ!!」と豪語しつつカリカリ描く二人。両方とも瞳孔が開いてカッとしてます。F先生の知的でソフトでナイーブな印象を台無しにする笑い声です。
あと、両親が上京してきて二人に会おうとするも、締め切り間際のため会えず、電車の窓から二人を見送る・・・というシーンでは、両親が
「ハムや~!!」
「サラダや~!!」
と大声で呼びかける珍コマがあります。両親なんだからあだ名じゃなくて本名で呼んでほしいところです! サラダはともかく、ハムと人前で呼ばれるのは絶対にイヤだ! ここは是非本作を読んで確認していただきたいところです。
しかし「ハムやー」と呼ばれてるシーンを見たF先生は「僕ってそんなピンク? もしくは薄切りで標準5枚パックみたいな印象かな」と複雑な気持ちだったに違いありません。
再復刻、というのは、数年前にいっかいマガジン・ファイブから上下巻で一度復刻されたんですな。しかしマガジンファイブが活動を停止してしまったため絶版になったので、装いあらたに松文館からもういちど発行された、と。
松文館という名前は、マンガ喫茶においてある本がマンガのすべてだと思っているような方にはあまりなじみがないかもしれません。ひょっとしたらマンガ喫茶には1冊たりとも松文館の本は並んでないかもしれないのです。
というのは、近年の松文館はBL本やティーンズラブ本メインで活動しているためです。旧社名のサン出版、オハヨー出版時代は三流劇画誌に載っているようなマイナーな劇画を、そして松文館時代はそれに加えて、ロリコンマンガブームに乗り、レモンピープルの亜流誌「ハーフリータ」を作り、遊人以降の美少女マンガブームでもコンスタントに作品を発行。BLが流行るとなるとダイヤモンドコミックスというレーベルを立ち上げBLに勢力をつくり、同人でテニプリがきてるとなればアンソロジーをすぐに発行。
機を見るに敏ではないが鈍ではない。一番乗りではないものの確実に流行に取り入り、フットワークの軽い会社でもあります。
たとえば競輪なんかそうですが、1着を狙うもまくられてドベになったり、接触覚悟でガシガシいって失格食らうより、着実に3位4位5位にいっつも食い込んでるほうが生き残れるみたいなカンジ。有害図書問題で活動を一時休止し、ビューティ・ヘア「蜜室」にからむわいせつ裁判でも責められましたし、最近は毎月のように都の有害図書指定にあげられても、しぶとく生き残ってます。
ですが、猥雑だろうとラインナップに一貫性がなかろうと、生き残らないと意味がないのです。これだけ官に睨まれつつも活動し続けているのはすごいのかもしれません。
話を戻して、そんな松文館の「ハムサラダくん」、なんかどっかで見たなという思ったんですが、小学館から刊行中の藤子・F・大全集に装丁がそっくりなんです!
![musara2.jpg](http://blog-imgs-38.fc2.com/i/w/a/iwainohondana/musara2.jpg)
![musara1.jpg](http://blog-imgs-38.fc2.com/i/w/a/iwainohondana/musara1.jpg)
これが裏表紙
![musara4.jpg](http://blog-imgs-38.fc2.com/i/w/a/iwainohondana/musara4.jpg)
![musara3.jpg](http://blog-imgs-38.fc2.com/i/w/a/iwainohondana/musara3.jpg)
![musara5.jpg](http://blog-imgs-38.fc2.com/i/w/a/iwainohondana/musara5.jpg)
・右上にロゴマーク(ロゴマークもなにも松文館レーベルデコのマークを他に使ってる本はなかったと思います!)
・グレー地背景に絵が浮き彫り
・帯の大きさがミリ単位でおんなじ、レイアウトもそっくり
・裏表紙の「収録作品」も体裁がおなじ(収録作品も何も、これで全話です!)
・背表紙の社名を四角に囲うところまでマネ(ほかの松文館の本は社名を四角で囲ってなかったような気がします)
そしてこの「僕も藤子F大全集の仲間ですヨ」というソックリ装丁の努力の甲斐あって、現実に書店ではチャッカリ隣に置かれていたりします。あざといなといわれるかもしれません。しかしまず「出す」ことよりも「売る」ことを考えるなら正しい選択とも言えるのが難しいところですね。
そんな「ハムサラダ」といえば珍シーンの連続、こんなのホントに藤子不二雄物語なのかよ!とツッコミをいちいちいれるのも手間なマシマシ具合ですが、僕としてはF先生=肉好きでハム、A先生=肉嫌いでサラダ、の両名がイイ声で笑うところが印象深いですな。
![musara6.jpg](http://blog-imgs-38.fc2.com/i/w/a/iwainohondana/musara6.jpg)
筆がノリに乗って「きゃはははー」とのだめみたいな声で笑うA先生。まんが道のあの弱気な満賀氏とは異なる強気な目つきもイメージではないなあ。
![musara7.jpg](http://blog-imgs-38.fc2.com/i/w/a/iwainohondana/musara7.jpg)
やっぱり筆がノリに乗って「がははは」と笑い、「悩みが吹っ飛んだら、えらく快調だ!!」と豪語しつつカリカリ描く二人。両方とも瞳孔が開いてカッとしてます。F先生の知的でソフトでナイーブな印象を台無しにする笑い声です。
あと、両親が上京してきて二人に会おうとするも、締め切り間際のため会えず、電車の窓から二人を見送る・・・というシーンでは、両親が
「ハムや~!!」
「サラダや~!!」
と大声で呼びかける珍コマがあります。両親なんだからあだ名じゃなくて本名で呼んでほしいところです! サラダはともかく、ハムと人前で呼ばれるのは絶対にイヤだ! ここは是非本作を読んで確認していただきたいところです。
しかし「ハムやー」と呼ばれてるシーンを見たF先生は「僕ってそんなピンク? もしくは薄切りで標準5枚パックみたいな印象かな」と複雑な気持ちだったに違いありません。
中野店 岩井