妙に肌寒い4月ですが、今年もGWが近づいてきましたね。
お店の中の人的には、やっぱり遠方からお客様たくさんいらっしゃる時期ですので、珍しいものを用意しておきたいところですが、かつてのGWに僕が用意したものといえば「アニマルセックス」であり「バリバリ君」であり「コミックマゾ」であり「超愛の人」だったりと、まあ一般性からは程遠いラインナップでした。
ワンピースやナルトの新刊を買いに来た子供さんの目に飛び込むものはなぜかライオンの交尾や学会万歳マンガ、表紙には「マゾ」と大書き、さらに目立つショーケースにはヤマジュンが配置、という「なんだこりゃ!」感は、たとえてビデオ屋でいうなら「ラムタラ」高田馬場店にいこうとしてと「ペペ」高田馬場店に間違えて入った、もしくは高円寺の「ドラマ」に行こうとして「バロック」に入ってしまったような違和感を与えたに違いありません。
というわけで反省し、考えをあらため、GW用に倉庫から掘り出してきたのはコレです。
かわいい女の子のジャケと「ふにく倶楽部」というタイトル。これだけだとなんの本だか分かりません。よく見ると「FUNIKURI FUNIKURA」と書いてあるほか、「電波コミック」「鬼畜コミック」という文字が。背表紙には「究極の愛、ネクロマンティックアンソロジー」と。これでも?な人は、カバーとったら一目瞭然です。
そこには表紙とはお呼びもつかないグデグデになった女の子の姿が・・・。そう、「ふにく(腐肉)倶楽部」はおそらく本邦唯一の、死姦をテーマに集めたアンソロジー集なのです。
いまから12年前98年に発行されたこの本は、当時サブカル層で流行った「電波」「鬼畜」ブームにかこつけて出されたもの。描いているのは内山亜紀、ダーティ松本、町野変丸など、フラミンゴ系とコミックピンキィ系の作家がメイン。
とはいえ、内山亜紀、町野変丸、ダーティ松本といった特殊な作家たちは何を描いても自分の世界に持っていってしまうため、死姦という陰惨さはほとんど感じられません。町野変丸に陰惨さを求めても仕方ないし、内山亜紀は死姦であっても少女がキャピキャピしています。
ただ、この作家陣の中で死姦をも食人も経験アリという人がおり、やはりその部分だけは別格にスリリングです。

幼い頃から食人の妄想をしていた彼は、パリに留学。ある白人女性に至高の美を感じ、ある日、詩の録音をするのを手伝ってほしいと頼んで二人きりに。
カービン銃で射殺し、夢にまで見た人食を試みるのでした・・・。
ルネ・ハルテヴェルトを殺して喰うこの経緯に関しては、既にいろんなところでも語られていますし手記にもルポにもなっているのですが、本人が文章ではなく、稚拙な画力でマンガを描いたこれは相当に大変なことになっており、ネットに対してのリアル書籍の優位性「この本でしか書かれていないことがある」を十二分に味わえるものとなっています。
たとえばルネを殺して食べるとき。尻の肉を切り取って食べたいのだが、厚い皮下脂肪に覆われていて肉の層までなかなかたどり着かない。
とがったナイフで肉を押し広げたそこには・・・
そう、尻肉の皮下脂肪の間には、黄色いトウキビみたいなツブツブがたっくさん入ってたのでした・・・。
オエ――ッ! 知らなきゃよかった! なんの得にもならないグロ知識です!!
尻肉を食べて恍惚し、やがて死・姦したくなっちゃった・・・とばかりに試みるのですが、
冷てぇーっ! 当たり前といえば当たり前ですが、こういうのが実際やった人しか分からない理屈なんでしょうね。氏の場合は人食がメイン、死姦はサブですから、肉を切り取ってうれしがってる間に体温が失われてったんですな。
とにかく陰惨な内容なのに妙に明るく振舞ってる氏のテンション。その落差がすごいのと、実際やった人しか描けないリアリティ。絵が稚拙なのも逆によく、もしリアルな絵で描かれたらここまでの味は出なかったと思う。
このシーンとか、リアルに書いたら何も救われないですよ。また
「オッパイは皮下脂肪だらけで喰えない」
「でもフライパンで暖めると膨れる」
「内臓をばらしたらとてつもなく臭く、手は腸液でピリピリする」
などなど、ここでしか知り得ない知識が大量に羅列してあります。
それにしても裏表紙に「今世紀最後の奇書!」とありましたが、全体には正直ライト。実話を基にして描いた「真現代猟奇伝」および「現代猟奇伝」のほうがウンザリ感は高いです。とはいえやはり世紀末の鬼畜本の小ブームがなければ出なかった出せなかった本でしょう。いまにしておもえば、90年代というのはやっぱりどこか狂ってた時代だったんですね。
ちなみに拍子の女の子を描いてるのは百済内創こと、葉月京先生です。いまはヤンジャンで「モートリ」とか描いてるのに、死姦本のジャケ・・・ギャップがすごいですね。
この本、GWに出します。決して「ふにふにした娘の本」じゃないですからジャケ買いだけはしないでください!
お店の中の人的には、やっぱり遠方からお客様たくさんいらっしゃる時期ですので、珍しいものを用意しておきたいところですが、かつてのGWに僕が用意したものといえば「アニマルセックス」であり「バリバリ君」であり「コミックマゾ」であり「超愛の人」だったりと、まあ一般性からは程遠いラインナップでした。
ワンピースやナルトの新刊を買いに来た子供さんの目に飛び込むものはなぜかライオンの交尾や学会万歳マンガ、表紙には「マゾ」と大書き、さらに目立つショーケースにはヤマジュンが配置、という「なんだこりゃ!」感は、たとえてビデオ屋でいうなら「ラムタラ」高田馬場店にいこうとしてと「ペペ」高田馬場店に間違えて入った、もしくは高円寺の「ドラマ」に行こうとして「バロック」に入ってしまったような違和感を与えたに違いありません。
というわけで反省し、考えをあらため、GW用に倉庫から掘り出してきたのはコレです。

かわいい女の子のジャケと「ふにく倶楽部」というタイトル。これだけだとなんの本だか分かりません。よく見ると「FUNIKURI FUNIKURA」と書いてあるほか、「電波コミック」「鬼畜コミック」という文字が。背表紙には「究極の愛、ネクロマンティックアンソロジー」と。これでも?な人は、カバーとったら一目瞭然です。

そこには表紙とはお呼びもつかないグデグデになった女の子の姿が・・・。そう、「ふにく(腐肉)倶楽部」はおそらく本邦唯一の、死姦をテーマに集めたアンソロジー集なのです。
いまから12年前98年に発行されたこの本は、当時サブカル層で流行った「電波」「鬼畜」ブームにかこつけて出されたもの。描いているのは内山亜紀、ダーティ松本、町野変丸など、フラミンゴ系とコミックピンキィ系の作家がメイン。
とはいえ、内山亜紀、町野変丸、ダーティ松本といった特殊な作家たちは何を描いても自分の世界に持っていってしまうため、死姦という陰惨さはほとんど感じられません。町野変丸に陰惨さを求めても仕方ないし、内山亜紀は死姦であっても少女がキャピキャピしています。
ただ、この作家陣の中で死姦をも食人も経験アリという人がおり、やはりその部分だけは別格にスリリングです。


幼い頃から食人の妄想をしていた彼は、パリに留学。ある白人女性に至高の美を感じ、ある日、詩の録音をするのを手伝ってほしいと頼んで二人きりに。
カービン銃で射殺し、夢にまで見た人食を試みるのでした・・・。
ルネ・ハルテヴェルトを殺して喰うこの経緯に関しては、既にいろんなところでも語られていますし手記にもルポにもなっているのですが、本人が文章ではなく、稚拙な画力でマンガを描いたこれは相当に大変なことになっており、ネットに対してのリアル書籍の優位性「この本でしか書かれていないことがある」を十二分に味わえるものとなっています。
たとえばルネを殺して食べるとき。尻の肉を切り取って食べたいのだが、厚い皮下脂肪に覆われていて肉の層までなかなかたどり着かない。

とがったナイフで肉を押し広げたそこには・・・

そう、尻肉の皮下脂肪の間には、黄色いトウキビみたいなツブツブがたっくさん入ってたのでした・・・。
オエ――ッ! 知らなきゃよかった! なんの得にもならないグロ知識です!!
尻肉を食べて恍惚し、やがて死・姦したくなっちゃった・・・とばかりに試みるのですが、

冷てぇーっ! 当たり前といえば当たり前ですが、こういうのが実際やった人しか分からない理屈なんでしょうね。氏の場合は人食がメイン、死姦はサブですから、肉を切り取ってうれしがってる間に体温が失われてったんですな。
とにかく陰惨な内容なのに妙に明るく振舞ってる氏のテンション。その落差がすごいのと、実際やった人しか描けないリアリティ。絵が稚拙なのも逆によく、もしリアルな絵で描かれたらここまでの味は出なかったと思う。

このシーンとか、リアルに書いたら何も救われないですよ。また
「オッパイは皮下脂肪だらけで喰えない」
「でもフライパンで暖めると膨れる」
「内臓をばらしたらとてつもなく臭く、手は腸液でピリピリする」
などなど、ここでしか知り得ない知識が大量に羅列してあります。
それにしても裏表紙に「今世紀最後の奇書!」とありましたが、全体には正直ライト。実話を基にして描いた「真現代猟奇伝」および「現代猟奇伝」のほうがウンザリ感は高いです。とはいえやはり世紀末の鬼畜本の小ブームがなければ出なかった出せなかった本でしょう。いまにしておもえば、90年代というのはやっぱりどこか狂ってた時代だったんですね。
ちなみに拍子の女の子を描いてるのは百済内創こと、葉月京先生です。いまはヤンジャンで「モートリ」とか描いてるのに、死姦本のジャケ・・・ギャップがすごいですね。
この本、GWに出します。決して「ふにふにした娘の本」じゃないですからジャケ買いだけはしないでください!
中野店 岩井