春です。まんだらけ中野店少年スタッフ小泉です。
首が飛んだりする漫画も良いですが、たまには活劇物でも…
「光海岸で待つ」全3巻
双葉社(アクションコミックス) 著:長谷川法世
カバーを見て頂きましたが、この段階で
「多分…この作品好きだ!」という方は期待して大丈夫です。。
漫画家:長谷川法世と言えば、
代表作「博多っ子純情」等の風土に根付いた地域密着型の人情劇画家という側面もありつつ、
アナザーサイドとしてこの作品は他「人情」以外の多くの「昭和的要素」を外して描かれたものでもあり、
本を集め始めた人にとっては出回る数も少なく、それ故に語られる場も多くはありませんでした。
SFリミッターを解除し、そこには博多も九州も無い、ただただ宇宙という広大な舞台に何が描かれているのか?
少しだけ説明させて頂きます。
西部劇や宇宙劇をミックスしつつ、ちょいと熱血な少年が恋に目覚め、
それ故に旅の途中で出会った仲間と共に世界を破滅に導く組織「MOT」との戦いを始める…
といった娯楽要素を土着的且つ「いも煮」風にぶち込んだエンターテイメント、
それが「光海岸で待つ」なのです。
例えば
およそ博多には存在しない未来の乗り物(2016年今現在)
設定や断面図も力入っています。
戦争に対する作者の代弁や陰謀論を仄めかす描写等、
既に第三次世界大戦へ現代が突入しているかのような暗示も見え隠れさせている本作ですが、
もちろん暗い話だけではなく、ちょっとしたユーモアや人間や人種を超えた情を描く手腕はさすがです。
魅力的なキャラクターも多く、
巨大ゴキブリの「ギギ」
二足歩行の「テラフォーマーズ」型ゴキブリも恐怖ですが、
単純に肥大化したゴキブリのビジュアルはかなり極悪。
どう物語に絡んでくるかは読んでからのお楽しみです!
(ネタバレを多く含む為)
また、もう1人挙げるとすると
のちに主人公と親友になる、
明らかにマイケル・ジャクソンなキャラクター「マッド」
着替えのシーンもあり、物議を醸しだしそうなセリフ(?)も吐いてます
もはや疑いようの無い完全体です
(ここまで来ると世界征服を企む組織名の「MOT」も名前の「マッド」も、世界的セールスを記録した「BAD」から取ったとしか思えませんね)
では、肝心の主人公はどうか。
主人公「宙也」
主人公は特に名家というわけでも、特殊な能力があるわけでもありません。
(母親も2コマしか登場せず、父親や家族関係は不明で多くは語られてはいません)
科学が発達している世界のなかでも自分の衝動に忠実なまま突き進んでいく漫画ではオールドタイプの主人公で、
持たざる者ゆえに人間的でもあり、それを愚かとも感じる部分があります。
武力も権力という大きな力でさえも使う側次第であり、
本編で明かされる「とある力」こそが平和をもたらすという長谷川法世の訴えと、主人公の行動理念こそが、
舞台が変わっても変わらない長谷川法世の人情劇画の魅力であると私は言い切れます。
1巻初版 初版発行1985年4月19日
長谷川法世作品→
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(中野店/小泉)
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