そろそろ「2016年度のベスト漫画を書いてくれ!」と、上司より催促が来ている最中、
相も変わらず休みの日には、掃除と称して積読解消のため一心不乱に読みふけっている次第です。
自分は「読み返す」作品を基準で保管しているので、そっちまで読みだすと部屋の中が大変な事に…
今回はその「読み返す」作品から1つ。(ちょっと重いテーマです)
「息をつめて走りぬけよう」
発行:ブロンズ社 発売日:1981年7月31日
著者:ほんまりう
(巻末には「関川夏央」から「ほんまりう」へのラブレターが書いてあります)
あらすじは、1章のタイトルにもなっている「顔が悪い!頭が弱い!力が無い!」男子高校生4人が、
ふとした悪戯をきっかけに友達になるが、徐々にいじめられる側からいじめる側への数の暴力に訴えかけていく。
心の強さが人の強さでもあると同時に、学生にとっては学校が社会只1つであり、
屈折した思い(エロ含む)と見えない同調圧力の負の部分に飲み込まれていく物語の中、
主人公の1人の少年はその回答、これからの生き方を見つけていく…というお話です。
痴漢の濡れ衣を問い詰めた事で、4人は強く結束していく
友達がやられていても何も出来ない…
顔は変えられない。頭も…。
それならばと力で訴えていこうとトレーニングを開始する。
少しずつ自分が変わってきた事を実感するために
自分たちを虐めてきた生徒へ復讐を誓う。
そして決行。
復讐の達成感と団結感からの高揚が悲劇を生む…
その後の更なる悲劇へと加速していく様や、友達同士の関係性も変化していく細かい描き方の凄みもあり、
若さ故の突発力や恐ろしさがひしひしと伝わります。単なる弱き者の代弁…とは違うかもしれません。
もちろんいじめ絶対ダメなんですが、やられる側の気持ちのぬらぬら感がべっとりです。
当時の学生の中にも「これは俺の話だ」と思って読まれた方も少なくないはずです。
黒い気持ちの中にも忘れてはならない希望があるのか、自分は未だにこの本が手放せません。
10代の怨念を受け入れる覚悟のある方はぜひ、続きを読んでみてください。
(担当:小泉)
ほんまりう作品→http://urx.red/AfLB
真崎守、宮西計三を筆頭に骨太な劇画作品を発行してきたブロンズ社→http://urx.red/AfLF
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