「メタルK」というコミックの話題を出すと知っている人は大体、
「あー、なんか女の子がグロいロボットのグロいヤツ!!」
と第一次攻撃体系(ファーストマーダーフォーメーション)という名の笑顔になってく
れます。
そこを「ゴッドサイダー」とかにすると
「あ、ファミコンジャンプでピッコロを主人公が瞬殺できるヤツでしょ?あとラスボスでラスネール伯爵!
筋肉獣牙殺(マッスルビーストエンドーッ)!」
と少々愉快なことになったりも。
「ミキストリ」、大好きです!って人は中野で僕と握手!
というわけで今回は巻来功士先生の「連載終了!」のお話です。
このイーストプレスの巻来功治「連載終了」はつい先日発刊されたばかりのコミック。
内容は今までのホラーグロテスクなコミックではなく、ジャンプデビューからそのジャンプとの別れまでを描いたエッセイコミックです。
え?巻来先生がエッセイコミックですか!?と一瞬なったのですが、つい先日にはキックスターターで代表作「ゴッドサイダー」の外伝が描かれたり、その出資額によって巻来先生自らと食事ができたり(残念ながら自分は熟考の末、参加をしなかったという今思えば大きな後悔がw)と今までの先生とは違うという雰囲気はヒリヒリと感じていた自分的には非常に腑に落ちる展開でした。
そもそも「連載終了!」のタイトル理由であり、先日打ち切られてしまった「ゴッドサイダーサーガ」自体が、「ゴッドサイダー」はもちろん「機械戦士ギルファー」のキャラクターも登場した自作を振り返る姿勢をみせておりこの展開は当然のものだったのかもしれません。
上記が「連載終了!」の股間ネタ。で、似たような話が「機械戦士ギルファー」に!
後書きの漫画は他にもフランクな内容で人柄がにじみでます!
そんなエッセイコミックス、ところどころギャグを含みながらもジャンプデビューへの道が描かれており、それがまさに初期の作品にあったようなギャグ作品のよう。
学生時代の北条司への羨望や、上京したての悪戦奮闘など新人時代の先生の頑張りは実際の作品「ジローハリケーン」「
サムライR」などからもはち切れんばかりに感じます。
そして「メタルK」でのジャンプデビュー・・・も一筋縄ではいかない今だからこそ話せる裏事情が描かれています。
中盤以降から描かれるのは個性的な編集者とその関わりあいが多くなり、純粋に情熱だけで突き進んでいた青年巻来先生に大きな試練が降りかかります。
漫画の王道「少年ジャンプ」でも編集者と作者との軋轢や、企業としての冷厳な
る戦略がありそれに翻弄される巻来先生は胸が痛くなります。
彼女云々まで突っ込む辺りが生々しくてつらい
なんだこのスタープラチナ的ななにかは!他にも巻来先生の描いたジャンプキャラが他にもチラホラ楽しめます
そんな中でも同郷の北条司や、輝きある新人として登場する荒木飛呂彦などの漫画達への羨望、嫉妬、そして具体的に描かれているわけではありませんが憎悪が作品に「魅力ある歪み」として「メタルK」「ゴッドサイダー」といった作品を
後年も語らせる原動力になってといっても過言ではないでしょう。
最終的には巻来先生は「少年ジャンプ」を離れ、「スーパージャンプ」といった青年誌へと活躍の場を移していき今に至るわけですが、その道筋には先生自身も多くの葛藤があり、この「連載終了!」にありありと情調的に描かれています。
しかしながらこの道筋が悲劇的なものであったかというと、そうではなく、その美しい異端の輝きは今でも愛されている作品達が物語っています。
そう「少年ジャンプ」という場にありながら、そこを離れ、しかしながら常に忘れることはなかったからこそ巻来功治作品は魅力的だったのかも知れません。
また巻来功治フリークとしては「メタルK」「ゴッドサイダー」といった代表作だけでなく「機械戦士ギルファー」「ザ・グリーンアイズ」といった作品もキャラやストーリーの深いところまで語られており巻来先生の各作品への深き愛が感じられて感動ものです。
また後書きの巻来先生と当時の編集長であった堀江氏との対談も必見の出来で、特に堀江氏の「漫画家にはストーリーを紡ぐ事が出来る「縦軸」の才とキャラクターやそれを盛り上げる描写を得意とする「横軸」の才があり、巻来先生こそ「縦軸」の才の持ち主であり、だからこそ編集との関係が上手くいかなかった理由でもある」といった旨の発言は、まさに黄金期のジャンプの編集長を務めた人ならではの名言。
そんな「連載終了!」、だけではなく巻来先生の過去の作品を今の機会に振り返ってはいかがでしょうか?
(中野店 黒田)
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中野店 黒田
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