80年代の咆哮! Arガス・レーザーブレードとはなにか?「ショッカー」の正体は日本政府だったのか? 「コマンダー0」のお話

つい先日、30歳になりました。特に自分では感慨はないのですが、他人からは三十路三十路言われるとなんとなく「ヤカマシ~ッ!」と頭から湯気が出てきそうになる今日この頃です。 自分は86年生まれなのですが、80年代生まれの人もおっさんといわれてもおかしくない人がほとんどになってきたことと思います。 86年ぐらいの生まれの人だと80年代というのはあまり物心がつく前に過ぎてしまった時代だったのでどこか夢のような懐かしさを抱いている人も多いと思います。 ということで今回は燃える80年代の申し子「コマンダー0」です。 1212-01.jpg こちらの記事、実は6年前の記事を手直ししたものでそういった意味でも過去からの申し子というかなんというか(笑) 今回紹介するのは知る人ぞ知る快作、富沢順先生の「コマンダー0」です富沢順先生といえば、スーパージャンプにて1992から1999年まで連載された「企業戦士YAMAZAKI」で有名な漫画家です。その後も今は亡きコミックバンチにて「殺し屋 麺吉」等を手がけていました。 「企業戦士YAMZAKI」に代表される作品群は、 職場で生まれる悩みや苦しみ、軋轢といったものを登場人物が克服するための人間ドラマが数ページに わたって繰り広げられた後、よくわからん敵が登場、文字どうり戦闘サイボーグ…企業戦士である山崎が 名刺スラッシュ等の必殺技で敵を1コマぐらいで処刑(しかもなんか良い事言いながら)というのが毎回の流れでした。 そんな富沢順先生の最初期に描かれた作品がこの「コマンダー0」というわけです。 富沢先生はもともと車田正美先生のアシスタントで、車田先生の身内パロディ作品「実録!神輪会」にも登場してます。 他の大御所漫画家を残虐手段でぶっ殺したり、「リングにかけろ」風に死んでたので印象深い人も多いことでしょう。 たしかむっつりスケベ扱いされてました。 そんな「コマンダー0」ですが、 肝心の中身は、近未来版「聖闘士星矢」といった趣で2巻完結でありながらかなり面白い作品となっています。 富沢先生の絵は、どことなくポップでありながらもバトルシーンもいい感じの昔の絵柄。古きよき80年代の漫画の雰囲気が存分に楽しめます。 1212-02.jpg ジーニアス5! 主人公は所謂熱血な昭和風味。敵いわく、こんないいかげんな時代に炎を撒き散らしながら生きる男がいるとは、とのこと。いい感じに分かり易い! また、星矢では必殺技に当たるインチキ化学武器もケレン味たっぷりで最高です。 とくにKr(クリンプトン)ガスレーザーブレードは名前のインパクトもさることながら、1ランク上にAr(アルゴン)ガスレーザーブレードがでてきて、クリンプトン<アルゴンという謎の化学方程式を当時の少年は心に刻み付けられた事でしょう 1212-03.jpg 個人的にはバオー、スパイラルナイフに匹敵するジャンプインチキ兵器の至宝です! 1212-04.jpg 最後はクレイジーズ80S!狂った時代に俺らは生まれた!とのことですが、これを書いてる担当も八十年代生まれで感慨深い台詞ですね。 1212-05.jpg また、たまに話題になる、漫画版「仮面ライダー」の最終回でショッカーの正体は日本政府そのものである、といったネタが話題になりますが、 実際には漫画版では微妙に意味合いが違う話しになっています。 1212-06.jpg このビッグマシン、ライダーの映画でラスボスになったりしたこともある方です。別にショッカーの首領とかではない・・・模様。 1212-07.jpg 1212-08.jpg このようにショッカーは日本政府が進めていた政策を悪用していたのは事実なものの、ショッカー自身が日本政府ではないという展開でした。 これはこれで衝撃的な展開ではありますが、では「正体が日本政府」であるという話はどこから来たのか、というと実はこの「コマンダー0」なのではないでしょうか? 「コマンダー0」は主人公が改造バイクに乗ったりと「仮面ライダー」の影響も大きく、最終回の展開もよく似ているものとなっています。 そして「コマンダー0」の最終回こそが、敵の正体が日本政府であることを仄めかす展開だったのです。 恐らくはよく似た展開を混同した、というのが真相だったのではないでしょうか? 見比べてみるのも一興かと思います。 そんな80年代の油ギトギトのコッテリ漫画、コマンダー0をあなたの本棚に加えて見てはいかがでしょうか? ※「コマンダー0」はこちらから。 中野店/黒田

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