「死んだはずの人が生き返る」
古くから世界中で多種な怪談となり、複数の原因や根拠が想定され、
怪談の類で最も生きている人間に近い存在ではないでしょうか。
ゾンビがバーっと街をパニックに陥れ、ホームセンターや病院に逃げ込む…そんなお話もいいですが、
ここはお盆時期に併せて、静かな村で発生する静かな恐怖をご案内します。
集英社「屍鬼」小野不由美・藤崎竜
小野不由美さんの厚い原作小説をその重量で覚えてらっしゃる方もいらっしゃるのでは。
今回はそのコミカライズ版です。小説版とは違う内容があるので、是非一緒に読んでいただきたいです。
人口1300人の小さな村、ある夏に村で死者を目撃する人が現れる。
引っ越してきた謎の一家、急激に上がる死亡人数
死んだはずの人間「起き上がり」がじわじわと村を侵略していく
お隣付き合いのある小さな村だからこそ、犠牲者が判っている筈なのに身近過ぎて異常を受け入れられない人々。
そんな中、僅かな人間が異変に気づく。
この「起き上がり」にもルールがありまして、その中でも効いてくるのが
「人間に招き入れてもらえないと室内に入れない」です。
某西洋モンスターの映画などで見る設定ですが、例えば都内アパートで顔も知らない下の階の人に声を掛けられても招こうと思わない。
しかし、家族ぐるみで関わりが続いてきた村の人です。
気軽に声を掛けることが普通になっているし、開けないと周囲に悪評がすぐに広がってしまう。
「起き上がり」に気づいても少数派の意見は異質に扱われるし、家を逃げようにも家族が残っている。
不便な場所のはずなのに情報網だけが異様に発達した田舎ならではの恐怖ではないでしょうか。
この話では複数の人間(時々起き上がり)の視点で話が進められます。
起き上がりにも色々といて、他人の血を吸わないと生きられないけれど抗おうとしたり、逆に力を受け入れて家族に見せびらかそうとする者も。
特にポイントは後半の主人公とも言える尾崎敏夫。
医師である彼はいち早く起き上がりの存在に気づき、その元凶にもたどり着きます。
起き上がりに気づく…そのシーンが見所なのですが、死んで起き上がった妻を人体実験して起き上がりの弱点を突き止めます。
この尾崎さん、けしてマッドサイエンティストではありません。奥さんもちゃんと愛している。
誰かがパニックを起こすわけでもない、静かに淡々と流れるからこそ不気味さが増していきます。
果たして、村の行く末は。
ネタバレは出来ませんが「怪物より生きてる人間が怖い」という流れも日本ホラーらしくて好きです。
またジャンプっことしましては藤崎竜の「封神演義」時代に「(週刊でここまで描く作家が月刊誌になったらどんな事になるんだろう…)」と思っていたので、
その実現には新作発表の段階からワクワクし、リアルな背景と目立つキャラクターが見事に期待を数倍で返して下さいました!
この夏はじわじわと恐怖を味わってみませんか。
以上、担当は「夏休みの思い出はコンクリ詰め遺体が発見されて学校のキャンプが中止になった」のタキタでした。
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宇都宮店 滝田
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