以前にジャンプ作家読切のオススメをさせていただきましたが、久々にまた読切作品の良作に出会えたのでご紹介いたします。
荒木飛呂彦「岸辺露伴は動かない」2巻
話は過去にさかのぼり、90年代の週刊少年ジャンプには連載作家がそれぞれ読みきりを掲載し読者投票を行なう企画がありました。 今思うと連載を週一で描いている作家さんに、更に新作をひねり出させるのだから 「普段は描けない、連載とは別ジャンルも描ける!」なんてプラス思考も吹き飛ぶデスレースが展開されていたと思われます。 この企画の凄いところは鳥山明に秋本治に和月伸宏にと参加作家の豪華さにもあるでしょう。 そして、この方も勿論参加されていました。 それが荒木飛呂彦「岸辺露伴は動かない~懺悔室~」でした。
...連載とは別ジャンル?!めちゃくちゃ一人だけ本編スピンオフだったため投票で困惑した思い出がありますが、 ルールで本編アウトとか言っていなかったのでこうなったのでしょう。 (「懺悔室」は「岸辺露伴は動かない」1巻や荒木飛呂彦短編集にて読む事が出来ます) それから、グッチやルーヴル美術館とのコラボやアニメ宣伝も併せた週刊誌掲載の読み切りとなると、 この「岸辺露伴は動かない」シリーズが定番となりました。
しかし、突然2巻をご紹介して大丈夫か?と思われるかもしれませんが、 2冊共に完全読切。それぞれ掲載時期も大幅に違うので1巻は先生の画風もかなり変化があります。 そしてこの読切、たしかに4部のキャラクターが登場する話が多いですが、まったく出てこない話もあります。 正直「色々あって、岸辺露伴(表紙の人)には人や物を本にして情報を読んだり書き加えて行動を操ることが出来る能力がある」 ぐらいのざっくりした情報さえあれば大丈夫です。 4部大好きな方には怒られる説明ですが、読んで興味が湧いてからでも遅くはないでしょう。
本編前にもちゃんと説明ページがあります。
要は主人公には「行動を操る・秘密を知る」能力がある。 読切においてスマートに理由や原因の解明にたどり着き解決策を見つけるには、かなりベストな能力なんですよね。
長々となりましたが、補足はここまでにして内容のお話。 特にオススメなのが「月曜日 天気-雨」です。
雨の駅前、人々は誰もがスマホ片手に歩き列を作る。そんな日常の風景 今は見慣れたこの風景
ですが、 皆がスマホを手放すことはない。 それは改札をすぎても、 電車を待っていても、
人が線路に落ちても
じわじわと異質になっていく姿。まさに「奇妙」の原点ではないでしょうか。 原因となるモノが見つけられないため、解決策も撃てずにただ飲み込まれていく主人公や群集 人々が線路に落下していく姿は必見。
はたして何が人々を陥れたのか、 その目的は 線路に落下した人々はどうなるのか
正直、これを読んだ直後は電話のためにスマホを耳に近づけるのがちょっとだけ嫌になります。
勿論その他の読みきりも読んでいただきたいものばかり。 「ジョジョに手を出していないから」では勿体無いこの1冊を是非いかがでしょうか。
以上、ご紹介は宇都宮店・滝田でした。
宇都宮店 滝田
1週間のアクセスランキング
カテゴリ
- お知らせ
- 中野店 (54)
- コンプレックス (8)
- 渋谷店 (12)
- サーラ (6)
- 池袋店
- 宇都宮店 (1)
- 札幌店 (9)
- 名古屋店 (12)
- うめだ店 (6)
- グランドカオス (8)
- 福岡店
- 小倉店
月別アーカイブ
- 2018年12月 (6)
- 2018年11月 (8)
- 2018年10月 (6)
- 2018年5月 (21)
- 2018年4月 (25)
- 2018年3月 (23)
- 2018年2月 (23)
- 2018年1月 (29)
- 2017年12月 (29)
- 2017年11月 (27)
- 2017年10月 (27)
- 2017年9月 (28)
- 2017年8月 (29)
- 2017年7月 (28)
- 2017年6月 (25)
- 2017年5月 (31)
- 2017年4月 (29)
- 2017年3月 (14)
- 2017年2月 (12)
- 2017年1月 (30)
- 2016年12月 (30)
- 2016年11月 (27)
- 2016年10月 (25)
- 2016年9月 (30)
- 2016年8月 (30)
- 2016年7月 (29)
- 2016年6月 (28)
- 2016年5月 (29)
- 2016年4月 (27)
- 2016年3月 (28)
- 2016年2月 (25)
- 2016年1月 (29)
- 2015年12月 (27)