以前に「金田一少年の事件簿」のご紹介をさせていただいたのですが、
その後、唐突に『90年代推理モノを振り返る』という不思議な。ブームが舞い降りまして。
あの頃、ちょうど90年代半ばから後半でしょうか。
ドラマの金田一少年にアニメのコナン。推理モノが漫画に増え始め、週刊の少年誌では1冊に1作は見かけたのではないでしょうか。
80年代からのバリバリ修行・努力型のアクションが溢れた雑誌の中での頭脳戦。
子供心に「あえて推理モノを読む」という妙なスタイリッシュさまで確立していました。
ふと思えば、00年代になり、グロ描写と頭脳戦は推理ミステリーから主人公も巻き込まれるタイプへと移行していきました。
だからこそ思ったんです。
今読めば、溜まりに溜まったジェネレーションギャプを存分に楽しめるのではないか!と。
...と、読んだ後に気付きました。前置きが長すぎました。今回ご紹介しますのはこちら
小畑健・写楽麿「あやつり左近」
天才人形遣い・左近と彼が操る人形・右近が、対話しながら推理していく独特な演出。
犯人が般若面だったり、桜の木の下で推理を開始したりと和風な描写が多いのも特徴です。
よくあるヒロインキャラがサポートではないので(一応ヒロインはいますが)人形だからこそ出来る行動も...
ちなみに原作の写楽麿氏は「力士伝説(画・小畑健)」の原作・宮崎まさると同一人物だったりします。
このタッグは2作描いているんですよね。
そしてこの漫画の特徴として、やたらと恐い。
1巻1ページ目、開幕からこのトラウマ。
描写が妙にリアルだったり、グロかったり、犯人の風貌が不気味だったりは勿論、
やたらとみんなが驚くリアクションが恐いんです。
殺される前にこの集中線ぐあい。彼女の運命は本編を読んでのお楽しみ。
そして90年代推理モノのジェネレーションギャップを一番感じたのがタイトル通りの「電話」に関わる部分でした。
突然ですが、スマホって便利ですよね。
かつて定番だった時刻表トリックは、時刻表検索ツールの誕生で衰退したといわれています。
被害者の過去の行動はSNSとGPSで追えますし、
公衆電話まで走る時間は目の前で通報に変わり、
目撃者の証言は、SNSに拡散された通行人の動画に変わり、
過去の事件との繋がりをしらべても、FAXで送らずにその場で検索になりました。
そして、何より久々に聞いたのが「電話線が切られている!」です。
携帯電話の電波が届かない、携帯電話が壊されているパターンは当時もありました。
しかし、思えば今だったら
「電話線が切られて、携帯電話の電波が各社全部届かなくて、PCも壊されていて、ワイファイは装置が壊されていて...」
と、手段があり過ぎてどうにか出来る気になるんですよ。
勿論、今だからこそ科学推理バリバリに追い詰める話は説得力がありますし、違う楽しみ方は増えていると思います。
でも、だからこそたまにお家芸ではありませんが「こんなところにいられるか!」と死亡フラグ全開な台詞を使った漫画が読みたくなるんです。
ちなみに今回ご紹介したのは文庫版。
本編は95年頃の作品ですが、04年頃に発行の文庫版は描き下ろしピンナップ付き。
小畑先生の作画の違いを楽しめます。
今だからこそ楽しめる、そんな1冊に出会いませんか。
ご紹介は「トリックに頑丈なワイヤーを用意する犯人って多いけれど、そんなに普通に売っているものか」が気になった担当・タキタでした。
宇都宮店 滝田
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