劇場へ行こう!

元気ですかーツ!!

遂に夏本番!余りの暑さに家では全裸という人も多いはず。
そして裸というと・・・ストリップ!はい、強引に行きますよ!

今回取り上げるのはこちら。 

『池袋レインボー劇場』(えりちん)

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当ブログではちょうど一年ほど前に同僚のスタッフ・田路が女性の目線からマンガを通して見たストリップの世界を語ってくれました。
(どういうストーリーなのかも分かりやすく紹介されているのでここでは割愛します)
https://mandarake.co.jp/dir/hondana/staff/2016/07/30/post-206.html

そして今年に入って作品が完結。単行本最終3巻も刊行されたことを受け、物語の行く末を陰ながら見守っていた野郎の目線で改めて振り返ってみたいと思います。

まず近年においてストリップとは年々劇場が減少の一途をたどる「絶滅危惧芸能」と言っても過言ではなく、元々のアングラなイメージから他のいわゆる"お色気系のお店"等とは違ってなかなかフツーの人が足を踏み入れにくいジャンルであると思われます。

ここ最近でストリップに関して一般に広く聞かれたのはおクスリで捕まった某・元グラドルが劇場デビューを果たした時くらいでしょうか。

しかしヤングアニマルで連載が終了したおよそ二ヶ月後の3月18日、毎度おなじみ流浪の番組・我らが「タモリ倶楽部」でストリップが特集されたのです!
しかも進行役ににオードリー、ゲストに水曜日のカンパネラのコムアイという、アングラとは対極の布陣で!!
まずストリップなら浅草キッドが真っ先に思い浮かぶし、あの番組なら山田五郎さんやみうらじゅんさんあたりが定石かと思いきや、これは意外な人選でした(ここで山本晋也監督が出て来たら色んな意味で凄かったのですが)。

ただ内容がステージ側ではなく、「客席側のファンの応援の仕方をレクチャーする」というものだったので、敢えてシロウトを揃えたのだと納得しましたけどね。

その時に「最近では女性客が急増している」という話が出ていたのですが本当??そんなの見たことない・・・。だとしたら喜ばしいですが。

で、『池袋レインボー劇場』も今この時代にヤングアニマルというメジャー誌で連載されたというのも実はスゴイ事で、これによりストリップに興味を持った若い客層が取り込めるチャンスでありました。

まぁ、雑誌の特性上題材こそストリップですが、あくまでストーリー重視のため直接的な性描写・・・というかハダカすらもそんなにバンバン出て来ません!
「ストリップ=ハダカ踊り」みたいに思っている人にはこのあたりはピンと来なかったかも。
しかし、ストリップにどっぷり浸かったファンほど実は「エロ目線でステージを観ていない」のも事実なのです!!
これは現在のライブアイドル界でいう「ガチ恋」や「楽曲派」にも通ずるでしょう。
要するに踊り子さんの光る汗に恋し、ステージパフォーマンスに魅了されるという訳です。

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この作品を読んでひとつ感じたのは、かの世界に明るい人が読めば業界あるあるや専門用語がふんだんに出てくるのでファン同士で話をしているかの様な感覚にもなれるのですが、反面それがさも当たり前の如くで十分な説明もなく話が進むので分かるかなぁ、分っかんねぇだろうなぁ~と松鶴家千とせ風の感想を抱かずにいられませんでした。
きっと「そこ」に重きを置いていないのと、物語の進行をモタつかせないためだとは思うのですが。

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経験者ならごくごく自然なこの流れ。

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デビュー間もない新人、チアガール演りがち!

そして「ベースボールシャツ」は定番過ぎてにやけが止まりません。

他にサッカーシャツや、法被などなど。

 

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マユ(ユキ)とストリップの"運命の出会い"である「リボン」も、タモリ倶楽部をご覧になった方は分かると思いますがそうでないときっとなんのこっちゃでしょう。

物語としては楽しめたし、登場人物にも感情移入出来たのでもう少し続いて欲しかった!!私はすっかり「一本マユ」嬢のファンになっちゃいましたから!!(はい、キーモーイー!)


せっかくステージデビューして「芸の肥やし=恋」も少し経験してステージングに開眼し始めのこれからという時だったので、ゆくゆくは固定ファンが付いて、先輩を見送るだけじゃなく自分も地方遠征して各地のステージを経験して、リアルな恋愛も・・・と可能性が残されていただけに本当に残念!

とにかく、ストリップの魅力を十分に伝えるには短すぎた。

ただ、前述の通りエロの要素を排除しストリップが踊り子さんの磨き抜かれた美貌と肉体、個性が織りなすパフォーマンスを観せる立派な舞台芸能であるという点がしっかりと高い画力で描かれていたのは何よりでした。えりちん先生に拍手!

願わくば時を置いて第二章として再開して頂きたいものです。成長したマユちゃん、観てみたい!

あぁ、アニメキャラを実際にデビューさせるプロレスみたいに「一本マユ」ちゃんという踊り子さん、池袋からデビューさせて欲しいなぁ。(妄想)

とにかく!10年後、いや5年・・・あとどれくらい今の形で観られるか分からないこの世界、まだ劇場に行ったことのない方は1日でも早く足を踏み入れてみましょう!その後でこの作品を読み直すときっと数倍も楽しめるはずです。百聞は一見に如かずですよ!

どーですか、お客さんッ!!

(担当 清水)

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中野店 清水

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