初めまして。中野店の臼井です。
先日放送された「アイカツ!」164話で、正月番組の収録の話がされていて「もうそんな季節…」と衝撃を受けました。
ちなみに「アイカツ!」では毎年クリスマス回(今年は165話がそうですね)でアイドルが斧で木を伐採するのが恒例となっているのですが…それは置いておいて。
ここ数年、年始で楽しみにしている事がありまして。
それが「ビッグコミックオリジナル」年明けの最初の号に掲載される「浮浪雲」(ジョージ秋山)なのです。
年内刊行が1号までなので、実質的な新年最初1/5発売の、2号ですね。
他に楽しいことないのかと言われるかもしれませんが、まんだらけの「ショウネン」スタッフは大体こんなもんですよ(と信じたい)。
勿論毎号ちゃんと読んではいるのですが、正月は特に際立ってすごい話が載っている確率がなかなかに高いのです。
まさに言葉通りの意味で「このマンガがすごい」と。
前置きはさておき、まずは過去2年分の回をおさらいしておきましょう。
◎2014年1月20日号掲載「はぐれ蜘蛛」
このタイトル、イケメン女たらしの浮浪雲との対比でありましょう。
鬼松という陰気な顔の男が町の女の子をつけ回して声をかける、現代でいうところの「事案」が発生するわけですが…。
浮浪雲もほとんど毎話女の子に声をかけているじゃないですか。この差はやっぱり顔ですか?
お母ちゃんに一喝されてしまいました。
しかし現実のところ、やはり人は平等ではないわけで。
納得のいかない鬼松のこの一言。
これにはお母ちゃんもショックを隠せません。
しかしながら性欲は抑えられない鬼松、布団でまたモゾモゾとやり始めます。
それを見かねたお母ちゃん。ここからが急展開です。
息子の性欲処理を手伝った後、空しさに駆られてからかそのまま息子を絞殺し、自身も投身自殺。
そして…。
めでたくもあり、めでたくもなし。
ダイジェストですが、おおまかには不穏な空気が伝わったでしょうか。
実に考えさせられますね。このまま生きていくことに幸せがあったかどうかはわからないですし…。
ちなみに、本誌掲載時の最終ページにはこんな煽り文がありました。
「冷たく身も心も凍る冬、そんな冬のような愛の形だってある。春の来ぬ冬のような人生もある。」
正月早々「ガツンとやられたな」と思ったのが2014年の1月。
◎2015年1月20日号掲載「鬼女房」
タイトルから既に不穏な気配しかしませんが…。
夫の居ぬ間に不貞を働く妻。
挙句の果てには開き直ります。まったく呆れたことですね。
しかしそれでも激昂するでもない夫。
怒らない、刺激がないことに不満な妻。
浮気したかいがない、とまで言います。
そしてこの罵倒。
ほんともう、なんでこんな女と結婚したのだという感じですが…。
それでも、人の心とは他人には理解できないもの。
それでも愛しているのだから仕方ない、と。
結末は…。
つらい…正月からつらすぎる…!
こちらの煽り文は、
「愛は、まあるいばかりじゃない。この世の果てのような愛の形だって、ある。あけましておめでとうございます。」
冬のような人生ときて、この世の果てのような愛。
とはいえ、2年連続で正月から尖り過ぎではありませんでしょうか?
ちなみに余談ですがこの前号、2014年の最終週に発売したオリジナルに掲載されていた話が「肉棒の彼方」。
シーボルトの娘、通称オランダおいねが浮浪の肉棒に興味津々、というド直球に下ネタな話だったんですよ。
花を活けて、水を差すとでも言いますか。この年末年始の流れが今でも鮮烈に記憶に残っています。
一貫して言えることは、2年連続で壮絶なる愛の話だったということですね。
オリジナルは他の作品も割と作家さん達が好きなものを描いてる感じ(風の大地とか…)はしますが、ここまでやれるのはやはりジョージ秋山先生しかいないのではないかと思います。
そして何と、今年最後に出た2015年12月20日号掲載の「晩秋」にて(これもなかなかキツい話でした)連載999回となりました!
1月5日、連載1000回メモリアルに一体なにが起こるのか…。
ゆく年くる年、浮浪雲。
今回ご紹介した「はぐれ蜘蛛」は単行本103巻、「鬼女房」は106巻に掲載されています。
《 今回紹介のコミックスの通信販売はこちら 》
小学館 ジョージ秋山「浮浪雲」103巻はこちらから。
おなじく106巻はこちらから。
中野店 臼井
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