中野店の臼井です。
かねてより「ビッグコミックオリジナル」だの「島耕作シリーズ」だの、オジサン漫画ばかりを紹介してきた私ですが...。
実は「週刊少年ジャンプ」だってちゃんと読んでいるのです!
「こち亀」や「BLEACH」「NARUTO」といった長編タイトルが一気に抜けて、一時期パワーダウンの激しかった「週刊少年ジャンプ」。
「HUNTER×HUNTER」の連載再開も大きいですが、最近の新連載陣はなかなかパワーがあり、再びアツくなってきています。
特にいま勢いがあるのはこのあたりでしょうか。
・白井カイウ/出水ぽすか 「約束のネバーランド」
・吾峠呼世晴 「鬼滅の刃」
そんな連載陣の中で今回私が紹介する、イチオシの漫画がこちらです!
・稲垣理一郎/Boichi 「Dr.STONE」
漫画好きの方なら共感されるかと思いますが、「週刊のジャンプでBoichi!?」というのがまず最初の感想。
原作の稲垣理一郎といえば「アイシールド21」が代表作となる原作者。
このタッグは正直予想外でした。
この漫画、まず1話目の「つかみ」がとても上手いです。
いきなりドン!と世界観を放り込まれます。
謎の光により人類が全て石化してしまいます。しかし、意識はあり...。
主人公の一人、大樹は気合いだけで意識を保ち続けます。
やがて...
ある日、ついに表面の石化が剥がれ、解放される時がきます。
その間、経過する事...なんと3700年!
当然、人類の手の入らず文明もない地球は、自然あふれる原始的な姿に変貌しています。
そのまましばらく彷徨っていると...一足先に石化から目覚めていた友人の千空と再会します。
体力バカの大樹と違い、科学バカで頭脳派な千空は、また一味違った方法で意識を保っていました。
石化した瞬間から事態を正確に理解し、復活の時まで淡々と、3689年もの間数字をカウントし続けただけ、という。
脳だけが動いていて視界も身体の動きも全て封じられるというのは一体どういう感じなのでしょうか。
私なら1日も保たないと思います...。
それはさておき。
奇跡の復活を遂げ、再会した体力バカと科学バカの2人。
この全ての文明を失った原始の世界で、千空の頭脳を頼りに再び文明の再興を目指す!というお話です。
ここまでで第一話、濃い内容からは想像できないほどコンパクトかつシンプルにまとまっています。
「アイシールド21」も、ひとつの試合が冗長過ぎないことで読みやすいテンポを作りだしていたな、と思い出しました。
これは原作者の持ち味か、はたまた短編を多く描いている経験を活かしたBoichiの力なのか...。
ところで、BoichiといえばこういったSF的な物語の名手でもあります。
特に秀逸なのがこの短編集。
講談社 Boichi短編集「HOTEL」
この表題作「HOTEL」が、漫画に活かすために物理学を学んだというBoichiならではのくどい感じのいいSF短編です。
とにかく地球がヤバい、という状況。
滅亡はもう逃れられない運命、今から為すべきことは何か。
再興を信じ、文明と遺伝子の保存、それを人類の生存可能な可能性のある惑星まで人工知能と共に飛ばすこと。
そしてもう一つ、人工知能と共に人の住めなくなった地球に、礎として人間が存在した痕跡を残すこと。
主人公は、地球に残るその役目を負った人工知能の「ルイ」。
DNAを保存し、自己を修復しながら、ただひたすらに地球に有り続ける使命を負っています。
やがて地球は人の住めない星になり、生命は絶滅し、それでもただずっと一人きりでDNAを守り続けます。
このあたりが人工知能らしく、壮絶ながらも淡々と描写されていきます。
途方もない年月を過ごした「ルイ」がこの後どうなるかは、読んで確かめていただきたいのでここには記しません。
この表題作の他、恋愛モノや食モノに扮したSF作品が収録されたこの単行本。
「Dr.STONE」の成り立ち、この作品がBoichiでないと描けないであろうことがわかるこの一作。
単行本が発売されたばかりの「Dr.STONE」とあわせて読んでみると面白いですよ。
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中野店 臼井
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