"現代"の必殺シリーズ漫画、それが坂口いく「闇狩人」だ!
......と、大見得切って始めてみましたが、この"現代"ってのが2018年じゃなくて、30年前の1990年頃なんですね。
というわけで、本日紹介したい漫画は、坂口いく「闇狩人」です。
坂口いく「闇狩人」
何故いま紹介するのかというと、30年前に連載が始まって、一旦全6巻で終わった「闇狩人」の新作が今月(2018年2月)、集英社から「闇狩人Δ(デルタ)」として出るからです。
といっても実は「闇狩人」、すでに2016年に一度出版社を移し、作画も変えて復活しています。
原作・坂口いく 作画・細川真義「新・闇狩人」
「闇狩人Δ」は「新・闇狩人」と主人公も同じ、作画も同じ、ということで、実質前作の続き、という形になります。
話の筋は、まぁ、冒頭に書いた通り、また作者本人が1巻の作者コメントでも書いているように、「現代版・必殺シリーズ」といった趣です。
恨みを金で晴らす「闇狩人」と呼ばれる殺し屋たち。普段は日常生活に溶け込みながら、日常の道具を使って殺しを行います。
旧作の主人公は漫画家志望の学生で、武器は定規とペン。
定規は日本刀のような切れ味で、分かり易く切ったり突いたりします。ペンは投げたり、ツボをつくことで相手の行動を奪ったりします。
当時の社会問題(受験勉強を苦にした自殺や、暴走族の抗争など)を捉えたネタで短編を重ねつつ、たまに鬼が出てくるような大きな話をしたり。
また、様々な闇狩人がいろんな日常の道具を武器にするのが読んでいて楽しい漫画でもあります。
全6巻+外伝2冊の分量の中にいろんな話が詰まっています。
闇狩人全編を通しての、殺しと金の考え方。依頼を受けて始めて殺す、という姿勢が貫かれます。
その傾向は新作になっても変わらず。
作画担当がつくことでイラストが実に今風になり、主人公を女子高生にすることでスクウェア・エニックスの客層に合わせつつ、世相を切り取ったような事件を扱う方針はそのままの、安心の復活でした。
ちなみに主人公が漫画家志望というのは変わらず、武器は定規からカラス口になってました。
そして新作3話目にして旧作ファンには嬉しい旧主人公登場。
前作では漫画家"志望"でしたが、新作では"売れない"ながらもプロの漫画家になってる姿が描かれています。
続けて、第7話で旧作の別の闇狩人も出てきます。
「新・闇狩人」は全3巻で完結。主人公中心の話となり、他の闇狩人が全然出てこなかったのがちょっと残念でした。
新シリーズ「闇狩人Δ(デルタ)」は実質「新・闇狩人」の続編なので、そこらへんの新しい闇狩人にも期待したいところです。
ちなみに、先にも軽く書きましたが、この漫画の見所は殺しを巡る人間ドラマもさることながら、日常の道具を武器にするアイデアと格好よさにもあると思っています。
新旧主人公は先に紹介した通り漫画の道具を武器に。
他にも、ロックシンガー・三枝将はピックを武器に。
元・空手家の陣内力は濡れ手ぬぐい。
などなど。
外伝ではバイクや釣竿なんかも登場します。
あり得ないながらも、遊び心があって大好きなところなので、新作でも是非いろんな闇狩人&日常品の武器、を出して欲しいところです。
......が。
トレジャーハンター・我竜京介の武器だけはイマイチ仕事との関係が分からない......
ケン玉?
でも、ケン玉、超便利なんですよ。
基本は絞殺。
刺すこともできる。
殴打も可能ときたもんです。
トレジャーハントにはとっても便利、ケン玉!
以上、「闇狩人Δ」の発売を待ちつつの、旧作の紹介でした。
蛇足:
「新・闇狩人」は原作者の坂口いくがいろいろ裏事情を書いている巻末漫画もファンとしては見所。
とくに2巻の巻末漫画はいろいろ気になるところでして。
各社への持ち込みの状況。坂口先生でもこんな状況なのね......
「人を殺しちゃダメですよね」という大前提の否定w
そして気になるのがE社。
「女子高生の殺し屋が山ほどいますので......」
最初スクウェア・エニックスかと思ったんですが、「新・闇狩人」が載ってたのはスクウェア・エニックスの「ビッグガンガン」なんですよね。
どこだ、E社......
グランドカオス 山本
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