あけましておめでとうございます。もう1月も4日です。
大晦日も正月もただ忙しく過ぎ去っていきました。
...そんな2017年でしたが一番好きだ、って思った漫画をご紹介します。
「ロッタレイン」
年末にコンプレックスの竹下店長が2017ベストで紹介しておりかぶってしまいましたが好きなので...お付き合いくださいませ。
IKKIが廃刊するすこし前に、松本剛の新連載始まったんだ!っていうのでIKKIの間だけ読んでいたのですが、あの時2014年。 3年の月日が流れやっと単行本に。 ヒバナは読んでなかったのですっかり忘れてしまっていましたが...本屋さんでこの1巻の表紙を見たときにハッとしました。
もうこの漫画好きだっていう。きっと切ない。きっと報われない。この美少女、危ない匂いしかしない。 でも透き通るように純粋なんだろうな。っていう期待。
主人公・玉井一。30。 母親を亡くし、上司にいじめられ、恋人に裏切られ、自ら自分が働くバス会社にバスで突っ込んで大怪我をするところから物語がはじまります。
全てを失った一の前に現れたのは美しく透き通ったくちびるの少女。それが義妹の初穂、13歳だった。
14年前自分と母を捨てた父親もあらわれ、葛藤があった末、父親の新しい家族とともに新潟に住むことに...
母と自分を捨てた父が選んだ女性、その連れ子の妹の初穂、父とその女性の間に生まれた腹違いの弟。そして一。 奇妙な共同生活が始まります。
全てを失い孤独な一。
しかし初穂もまた、学校で愛人の子とよばれてクラスメイトに距離をおかれたり、いままで血のつながらない父親とも平和に暮らしてきた「家族」が 突然あらわれた本当の息子を前に何か形を変えて行っているという孤独をかかえていた。
二人の孤独は、お互いに寄り添っていく。
気付かないうちに初穂への思いを募らせていく一。
ついに初穂にキスをしようとした男子学生を殴ってしまう。
そんな一に、対して初穂は...
初穂を奪いたい気持ちと、守りたい想いとぐちゃぐちゃに交差していく中、二人の絆はどんどんと深まっていく。
こんな夢まで見てしまっている...!
しかしその事が父親にばれ引き離されそうになり、クラスメイトや職場にもあらぬ噂をバラまかれ居場所を失った二人が向かった先は...
「お兄さん、私を誰にもわたさないでね」
東京で二人の逃亡生活がはじまる...
「ここに住みたいな」
「あったかいし、雨も降らないし」
逃亡生活の行方、そして二人の行方はどうなるのか...
孤独な魂が惹かれ合う、痛くて苦しい二人の純愛。 3巻で衝撃的なラストとなるのですがそれは読んで噛みしめてください。
作者の松本剛の出身地、新潟県・長岡が舞台。
有名な花火大会の描写もあります。
とにかく雨のシーンが多く、雨の多い長岡と鬱屈した少女の湿気が漂ってくる。
新しいひと夏の1冊です。
「ロッタレイン」全巻セットはこちら
https://order.mandarake.co.jp/order/detailPage/item?itemCode=1076984804&ref=list
松本剛作品はこちら
中野店 田路
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