心はちょっとずつ君の方へ

こんにちは。一度引いた風邪は次の次の定休日まで決して治らない中野店白石です。

本日はこちらをご紹介。

阿波連さんははかれない/水あさと/集英社(既刊1巻)

画像1.jpg

文字通り、表紙の女の子「阿波連(あはれん)さん」は、人との距離感を

画像2.jpg

うまくはかれない。

このミートボールで災難に遭っているのが隣の席の「ライドウくん」。

小柄で小声な阿波連さんが非常に不器用かつ苦手なのは、物理的・精神的な距離感の取り方。

たとえば教科書を忘れたとなれば

画像3.jpg

こうなる。

ちょっと居眠りしたくて「寄りかかっていいよ」と言われたときは

画像4.jpg

こうなる。

呼び止めたいときは

画像5.jpg

こうなる。

とにかく身体コミュニケーションの調節がド下手な子。それが原因で友達を作れないでいます。

そんな阿波連さんから、ふとしたきっかけで懐かれたのがライドウくん。ラブコメ定番のヤレヤレ感や照れのない大人なクールガイです。阿波連さんの天然な襲撃をただひたすらに受け止め、柳のごとく受け流します。というか、ちっちゃくてかわいい阿波連さんに懐かれてほぼ動じない彼も、少しピントのズレた寡黙男子なのです。

画像4.5.jpg

そう、ツッコミはすべて「〜じゃね?」「〜なくね?」という簡潔な疑問反語のモノローグ。しかも自問自答のように脳内で語るだけで、口には一切出しません。加えてお互い常に無表情。

連載しているジャンプ+の宣伝文句「低燃費ラブコメ」の名の通り、二人ともひたすらローテンションなんです。

あと個人的には「無表情萌え」というか、表情筋が死んでるというか感情の起伏があまり形にならない系というか、あるいはそもそも髪で顔が隠れてるとか、とにかくそういう「表情が読めない」とか「表情が固定されてる」キャラがドツボなんですよ。

(追記:【急募】この萌えに共感できる人探してます【名前つけて】)

なので、背景のトーンくらいでしか気分の読めないこの二人はけっこう好きで...はい...好きなんです......。

しかし水あさとといえば、キャラ達がくるくる立ち回ってわちゃわちゃキャッキャのギャグ路線、果ては「あられもなく感情を吐露する女子の泣き顔」に定評のあるイメージです。

それに対してこの物静かな二人...なんてギャップなんだ...!と思っていたら、

目薬を点す回で

画像6.jpg

画像7.jpg

うん、オッケオッケ。この感じな。

絶妙な肩透かしで萌え要素を外してきます。いやむしろこれが王道か。

そして一方のライドウくん、小声すぎる阿波連さんの発言をなんとか拾おうとして

画像8.jpg

とか、

画像9.jpg

とか......うん......。いろいろと違くね?

でも、

画像10.jpg

画像11.jpg

.........こいつ超いいヤツじゃね?

そんなこんなでお互いに少しずつ距離が近づいていきます。いや阿波連さんは基本0距離ですけど(物理)、それが今後どう変わるか(変わらなさそう)。

画像12.jpg

こうしてだんだんとaharen san ize(アハレン-サン-ナイズ)されていくライドウくんにも期待です。

少し前に週刊少年ジャンプに載った出張版で知った人も多いはず。

そうそう、来月頭に2巻が出るよ!気になっていた方は是非!

http://order.mandarake.co.jp/order/detailPage/item?itemCode=1072092852&ref=list

***

水あさとの他作品

http://order.mandarake.co.jp/order/listPage/serchNarrowWord?narrowWordTarget=author&serchWord=%E6%B0%B4%E3%81%82%E3%81%95%E3%81%A8

隣の席といえば→となりの関くん

http://order.mandarake.co.jp/order/listPage/serchKeyWord?categoryCode=11&keyword=%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%AE%E9%96%A2%E3%81%8F%E3%82%93

担当:白石

中野店 白石

1週間のアクセスランキング

    中野店と同じカテゴリの記事

    最新の記事
    UC、NTへと続く福井晴敏ガンダムワールド

    このブログが掲載されている現在も絶賛公開中。 宇宙世紀ガンダムとしては27年ぶりの新作劇場と話題になっている「機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)」 「機動戦士ガ...

    うめだ店 森田

    性欲も睡眠欲には勝てない。

    小学館 篠房六郎『おやすみシェヘラザード』 とある女子高、女子寮。まだ5月だというのに暑い夜が続くある日・・・ 1年生の二都麻都(にとあさと)は友人の部屋へ行こ...

    渋谷店 田名部

    ☆★画像あり ☆★ |コリコン女教師 真昼の決斗☆★ネタバレ注意 ☆★

     最近、海外版のA.D.POLICEのDVDを買って観たらDISC1に最終巻であるDISC3の内容が入ってたんですよ。 で、あの時代のアングラな設定のOVAって...

    コンプレックス 内村

    戦国時代に転生したら...

    間が空いてしまいましたが今回も私的なおすすめラノベを紹介させていただきます。 今回紹介するのはイスラーフィールさん作の「淡海乃海 水面が揺れる時」。 副題で「...

    サーラ 阿部

    是非続いてほしかった!

      集英社 佐野ロクロウ、肥田野健太郎 『ジガ-ZIGA-』  あらすじ---少年ジャンプ公式サイトより--- 明るく充実した学校生活の一方、「怪物に潰される」...

    コンプレックス 山田

    きっとあなたのなかにもいる『かわいい闇』

    はじめて記事を書かせていただきます中野店の高畠と申します。 SFだいすきアイマスPです!今後ともよろしくお願いいたします! さて今回は、一見かわいらしい絵本のよ...

    中野店 高畠

    平成もそろそろオワリ!!

    連載開始したサーラの本棚!! どうも、おひさしぶりですうめだ店コミックスタッフの山崎です。   あまりに久々すぎて誰が何を紹介してたかすっかり忘れてしまってるの...

    うめだ店 山崎

    母と子と将棋がある日常と

     いやー、すっかり寒くなってきましたね。日中は暖かくても夜はもうダウンジャケットじゃないと寒くて、日々モコモコして過ごしております。「ワールドトリガー」が連載再...

    中野店 長谷川

    悪と正義の境界とは。

    そろそろアニメ化の話があってもおかしくはないのでは...と個人的に思っているこちらの漫画をご紹介。タイトル:憂国のモリアーティ 構成:竹内良輔 漫画:三好輝コナ...

    小倉店 藤野

    老いとは、正しい成長

    当ブログのアクセスランキングで根強い人気を誇っているのがとうとう「島耕作担当」を名乗り始めた、弘兼憲史大好きおじさん・臼井による一連の島耕作シリーズ。 (未読の...

    中野店 清水